最高位小結で昨年7月場所中のコンプライアンス違反で3場所連続休場の処分を受けた西幕下56枚目の阿炎(26=錣山)が4連勝で勝ち越しを決めた。

篠原を立ち合い、右差しから休まず攻めたすくい投げで一気に勝負を決めた。小結だった19年九州場所以来の勝ち越しに「うれしいです」。昨年7月場所中、新型コロナウイルス感染症防止のため日本相撲協会が策定したガイドラインに違反し、3場所連続休場の処分を受けた。17年名古屋場所から守っていた関取の座を失い、幕下下位からの再出発だった。

取組前、取組後と大きな拍手がわき起こる。阿炎は「土俵にもう1度、上がらせてもらった人たちがいる。拍手とか起きるのはうれしい。まだまだ成長途中。いい相撲をとれるよう、集中していきたい」と言った。

昨年に結婚し、娘も生まれている。「待ってくれている人たちがいる。頑張っていくためにも、稽古しかない」。帰ってきた実力者が、まずひとつの節目をクリアした。