コカインなど薬物使用疑惑を報じられていた俳優成宮寛貴（３４）が９日、芸能界を引退すると電撃発表した。所属事務所を通じ、報道各社にファクスを送った。

　自筆の文書で成宮は「全ての原因を作ったのは自分自身」としながらも、「心から信頼していた友人に裏切られ複数の人達が仕掛けた罠（わな）に落ちてしまいました」と説明した。「今後これ以上自分のプライバシーが人の悪意により世間に暴露され続けると思うと、自分にはもう耐えられそうにありません。今すぐこの芸能界から消えてなくなりたい」などと、強い言葉で決意を伝えた。

　事務所は「所属プロダクションにおける社会的責務として、本人からの事情聴取、薬物鑑定など、必要な調査を行ってきましたが、本人の薬物使用を裏付ける客観的事実は確認できませんでした」と説明。その上で、今後の方針を検討していたおり、本人から芸能界引退の申し入れがあったという。

　成宮は今月２日、コカインなど薬物使用疑惑を写真週刊誌「フライデー」で報じられていた。報道に先手を打つ形で、前日１日に「事実無根の記事に対して、非常に憤りを感じます。私、成宮寛貴は、薬物を使用したことは一切ございません」と、所属事務所を通じ疑惑を完全否定していた。

　所属事務所は「講談社（フライデー編集部）に対し、断固として抗議し、民事・刑事問わずあらゆる法的手段をとって参る所存です」とコメントを発表していた。日刊スポーツの取材に対しても、報道後に尿による薬物検査を実施し「７日付で陰性でした」。今後については、成宮本人や弁護士と、法的措置をとるかなど引き続き検討していくとしていた。

　ところが、今日９日発売のフライデーは続報として、成宮と思われる男性の写真を提供した友人と名乗る人物が肉声データを公開した。成宮がその友人との電話のやりとりで「チャーリー」などと、コカインの隠語を使って薬物を調達するかのような様子を伝えていた。

　成宮は００年の舞台「滅び書けた人類、その愛の本質とは…」で俳優デビューした。ドラマ「木更津キャッツアイ」「ごくせん」「高校教師」、映画「溺れる魚」「ＮＡＮＡ」「アンフェア　ｔｈｅ　ｍｏｖｉｅ」など、数々の人気作に出演。１２年、ドラマ「相棒」シーズン１１から、３代目相棒として３シーズンに出演した。