宝塚歌劇団の花組トップ娘役、花乃(かの)まりあが13日、兵庫・宝塚大劇場で、サヨナラ公演「金色の砂漠」「雪華抄」の千秋楽を迎え、本拠地に別れを告げた。

 カーテンコールから3回目のアンコール。相手役を務めてきたトップ明日海(あすみ)りおに促され、花乃がセンターに立って音頭をとり、花組メンバー、客席一体になった「花組ポーズ」をキメた。

 劇団最古の組で、花組男役がきざって(きざなポーズで)、髪の毛をかきあげるしぐさでキメる「花組ポーズ」。退団公演とあって、トップ娘役の花乃がかけ声をかけ、全員で大げさにパフォーマンス。最後は「花組最高っ!」と、出演者、観客一体となったかけ声で締めた。

 花乃は10年入団の96期生。宙組に配属され、12年「銀河英雄伝説@TAKARAZUKA」新人公演で初ヒロイン。14年3月に花組へ移り、同11月にトップ娘役へ就いた。

 「花組ポーズ締め」に先立つサヨナラショーでは、宙組時代のナンバーも披露した。明日海の相手役を務め、2年。花乃は「今日はきっと雨が降ると思っていました」と、あいさつで雨女ぶりを告白した。

 その通りこの日は朝から雨が降り続き、花乃は「9年前、宝塚音楽学校の入学式でも雨が降っていました」と振り返った。

 そして「思い返すとずっと雨。でも、私には支えてくれる大切な仲間、そして、そっと傘をさしかけて、一緒に歩いてくださる大切な方がいました。たくさんの恵みの雨に恵まれました」と続け、トップ明日海を見つめた。

 その明日海はサヨナラショーのエンディングで、花乃との名コンビでわかせた「ミー&マイガール」にならい、同演目の小道具のかばんを手に登場。同演目では最後、かばんを放り投げ、2人が抱き合うが、その場面を再演して花乃と抱擁。客席からは拍手が起こった。

 感極まった表情の花乃に向かい、明日海は「まだまだ彼女の中には眠っているパワーがあると思います。東京公演の千秋楽には、私が『参りました』とひれ伏す芝居を見せてくれると思います」と話していた。

 花乃は来年2月5日の同東京宝塚劇場公演千秋楽をもって退団する。