故鳳啓助さんとの夫婦漫才の元祖で、TBS系ドラマ「渡る世間は鬼ばかり」でも親しまれた女優京唄子(きょう・うたこ)さん(本名・鵜島ウタ子=うじま・うたこ)が6日午前10時33分、肺炎のため、大阪市内の病院で亡くなった。89歳だった。10年の「渡る-」出演を最後に、表舞台からは退いていた。7日夜、大阪市内の斎場で、近親者のみが集まり、通夜が行われた。喪主は長女節子(せつこ)さん。

 唄子さんの長女節子さん(67)はこの日、親族による通夜を終えた斎場で取材に応じ、「最期は眠るようでした」と話した。唄子さんは09年に腰椎圧迫骨折で療養に入り、直後は「また舞台に出たい」と話していた。10年にテレビ復帰したものの、回復が芳しくなく「その後は出たいと言わなくなった」と明かした。

 2回の手術を経ても歩行はままならず、13年には腰椎変性すべり症も発症した。それでも昨夏までは、「徹子の部屋」「相棒」や、相撲中継などを見ていたといい、節子さんらの会話を聞き「私の悪口言ってるの」と言ってくるなど、意識はしっかりしていたという。ただ、昨秋の入院後は、食事も細くなる一方で、親しかった上沼恵美子から、「会いたい」と連絡をもらったが「弱った姿は見せたくない」として、面会を断ったという。