女優沢尻エリカ(24)が28日、離婚騒動が表面化して以来、初めて公の場に姿を現した。都内で行われた写真家蜷川実花氏(37)の個展に出席。沢尻の左手薬指には指輪がなく、報道陣の質問にも、涼しげな笑顔を浮かべて右手を振った。すがすがしい表情からは、離婚に向けて気持ちの整理がついたことをうかがえた。一方、夫のハイパーメディアクリエーター高城剛氏(45)は、同日未明に沢尻から送られてきた別れのメールに、直接面会して話し合いたい意向のメールを返信したことを明かした。

 人妻らしからぬいでたちだった。白の超ミニワンピース姿の沢尻は、午後7時31分、50人以上集まった報道陣にひるむことなく、会場近くにつけられた黒塗りのベンツからさっそうと降り立った。10センチ以上ある高いヒールで足音を「カツ、カツ」とリズム良く鳴らした。「離婚の決意は固いですか」「ファンの方へ一言」「高城さんとお会いになるんですか」「なぜ(高城さんは)キモイんですか」と矢継ぎ早に質問が飛ぶ中、華やかと言っていい笑みを浮かべて受け流した。

 そそり立つ山のようなカメラの列を通過しようとした途端、カメラ目線で笑顔をつくった。白い右手をしなやかに振って会場に入った。凜(りん)とした表情、さわやな立ち居振る舞い。離婚騒動の渦中にいる24歳の女性とは思えないオーラが漂っていた。離婚への迷いはみじんもなかった。

 午後8時6分に会場を出る際には「きれいになりましたね」という報道陣の呼び掛けに「どうもありがとう」と、うれしそうに答えた。その後、離婚への質問には一切答えず、1度振り返ってもう1度左手を振ってから車に乗り込んだ。薬指に指輪はなかった。

 受け入れ態勢も物々しかった。会場周辺の路上には、マネジメント契約を結ぶことが決定的なエイベックスの関係者が数人立ち、沢尻を徹底ガード。同関係者からは「会場到着の際の車を着ける位置は電柱の横で、沢尻は個展を30分ほど見て帰る」などと細かく段取りも説明された。カメラ位置や取材場所も、沢尻を出迎えるかのように形作られた。

 同社関係者は「契約に関しては『そのような話があるのは事実』という、26日にコメントを発表した段階から進展がありません」と、まだ契約は結んでいないことを示唆した。ただ契約前ながら、扱いは完全に「所属アーティスト」そのものだった。同時間帯には、都内の沢尻の実家にも同社の関係者が現れて周辺を仕切るなど、エイベックスが芸能界復帰を完全サポートするという姿勢が、鮮明に打ち出された格好だ。

 離婚騒動など何のそのと言わんばかりの勢いで、威風堂々とした沢尻と、現場を必死に整えたスタッフたち。わずか36分間だったが、「エリカ様」完全復活の前夜祭とも言える「お披露目会」となった。

 [2010年4月29日9時27分

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