松任谷由実(57)が14日、東日本大震災チャリティー企画を立ち上げた。この日、15日開始の全国ツアーの公開リハーサルを神奈川・よこすか芸術劇場で開催し、関係者を通じて発表した。代表曲「春よ、来い」(94年)を17年ぶりに録音。コーラスの歌声を一般募集し、iTunesなど配信限定で発売する。収益全額を中央共同募金会を通じ、被災地に寄付する。

 ユーミンが公にチャリティーに取り組むのは初めて。関係者によると「寄付するだけで終わらせたくない。被災者を含め、みんなで参加できる声の寄せ書きみたいなものを」として参加型にこだわった。第1弾は5月18日発売だが、1年間にわたり歌声を募集。応募者全員の声を重ねた完成版を来春に発売する。

 同曲は94年10月から1年間放送されたNHK朝ドラ「春よ、来い」の主題歌。「前向きなメッセージを」として、チャリティー曲に選んだ。ミリオンヒットになった同曲は、阪神・淡路大震災時に「励まされた歌」として挙げる人が多い曲としても知られる。ユーミンは「祈ることしかできなくても、それは見えなくても、必ず力を持ちます。それを千羽鶴のように歌で形にしたいのです」と話している。

 公開げいこでも同曲を披露。着物姿のユーミンは、被災地の復興を祈りながら歌い上げた。