<連載「気になリスト」(1)>

 今、気になるスター候補を紹介する「気になリスト」第1回は、アスリート、タレントとしてバラエティー番組などに出演している武井壮(39)です。百獣の王を目指す男として、ランニング1枚でさまざまな獣と戦う姿(イメージです!)を見たことがあるかもしれません。ほかにもこの人が持つさまざまな「伝説」について聞いてみました。

 10種競技の元日本チャンピオン、スポーツトレーナー、タレント。さまざまある肩書の中で、やはり「百獣の王を目指す男」はインパクト大。猛獣との妄想バトル、いや、イメージトレーニング姿は強烈だ。

 「オレゴン州で鹿に遭遇したことがあったんです。ふいのことで、もしかしたら命を落としてたかもと思ったらぞっとしたんです。すぐに図書館で動物図鑑を借りましたね。いろんな動物への対処を学んで知識が増えました。数年後、体を鍛えることと動物が両立できる仕事があればと思ったんです。肩書を決める時、『百獣の王』って、かっけー、ライオンばかりそう呼ばれてるのはずるいと思って『おれがなる』と」

 インターネット検索では「百獣の王」のキーワードに「武井壮」が関連付け表示されるようになった。

 「日本では勝ちつつありますね。でも、世界中で『百獣の王って武井壮でしょ』ってなりたい。どの動物にも勝つということではなく、認識されることを目指しています」

 幼いころから空手、柔道、野球、ボクシングとさまざまなスポーツに取り組んできた。神戸学院大の1、2年時は陸上短距離選手。しかし93年の国体で、同室だった同志社大の朝原宣治氏が、当時の100メートル日本記録10秒19を出したのを目の当たりにした。

 「こんな速えやつ、あと2年で追い越せないと思ったんです。間に合うものは10種競技でした。トレーニング理論は持っていたんで自信はありました」

 2年半で日本選手権で優勝。10種競技の100メートル記録10秒54は、まだ破られていない。驚きはまだある。先日の健康診断は獣医師に診てもらった。

 「一般の病院だと普通の検査しかしていただけないので。『信じられない。馬のようだ』と言われました。パワーもスピードも兼ね備えている馬の肉を1カ月6キロ食べているからでしょう」

 寝ない、家がないという伝説もある。何時間も眠るということもないため家は必要なく、サウナの休憩所などで休むだけでいいのだという。

 「一般の人に比べたら何倍も体力があって、鍛えてる度合いが全然違うから疲れないんです。こういう時間(取材を受ける時間)は体力がどんどん回復していってるんです」

 しかし、タレントとしてはブレークしたばかり。「芸能界にはとてつもないオーラを放っている人がたくさんいる。俺にできることは体を鍛え続けること。誰もたどりつけない場所に行きます」と意気込んだ。

 別次元にいくという意味では、武井壮は既に到達している…かもしれない。【小林千穂】

 ◆武井壮(たけい・そう)1973年(昭48)5月6日、東京都生まれ。大学で陸上を始め、10種競技で日本選手権を制す。第一線を退いた後、米国にゴルフ留学経験。その後、スポーツ選手のトレーナーも務め、アスリートチーム「EARTHLETES」代表。今年10月からフジテレビ系「笑っていいとも!」(月~金曜、正午)月曜レギュラー。175センチ、67キロ。血液型B。<武井壮

 語録>

 ▼「この間は4日間まったく寝ませんでした。マネジャーには『自分の体力で仕事量を計るな』と言ってます」

 ▼「体脂肪0%を目指してます。動きまくって、必要なエネルギーを取りまくる。そしてしゃべりまくる」

 ▼「トレーニングは街中ダッシュ。10分かけて食事をするなら、9分で終わらせて1分トレーニングすればいい」

 ▼「夢はいきものがかりの吉岡聖恵ちゃんとのデュエット。ほとんど恋です。ロンドン五輪のNHKのテーマ曲だったけど、何で俺は日本代表じゃなかったんだ。4年前に分かってたら、何かの競技で五輪を目指していました」(11月1日付・紙面から)