<フィッシング・ルポ>

 ハードルアーで勝負だ!

 いよいよ29日、山梨・河口湖で「2011日刊スポーツ・フィッシング・サーキット」湖川ブロック・ブラックバス部門の予選第2戦が行われる。日刊釣りペン・クラブのバスマン築山滋会員(46)が豪雨の中、試釣した。ソフトルアーを使わず、シャロー(浅場)に頼らない必釣パターンが見えてきた。

 土砂降りの雨。上空の雲に切れ目はない。記録的な降雨量の5月らしい天気ともいえる。雨の日は上空に低気圧が広がっているため、水中のバスも気圧からのプレッシャーが低いため活性が上がる…はず。

 ただ、試釣日の前日は河口湖でも気温29度。で、1日たって気温は15度まで低下した。水温も16・2度だったのが、この冷たい雨で15・5度まで下がってしまった。雨天とはいえ、急激な水温の変化にバスの活性が鈍ってしまったようだ。実績のあるシャローを攻めたが、思うような反応は得られなかった。

 魚がいない?

 そう、どうやら攻めているレンジ(魚の泳ぐ層)が違うようだ。バスがやや潜っているとみて、岸近くを狙う方法からカケアガリ付近を狙う方法にシフトした。

 同行の日刊釣りペン・クラブ庄司弘道会員(43)がハマった。沖に点在するブイに狙いをつけた。使用するのはベイト(エサになる魚)を模した大きめのビッグベイト。ブイと自分を結んだ線の延長線上にキャストする。ブイの両脇を通過するように、ゆっくりと巻いてくる。できれば「バシャ、ズブッ、バシャバシャ」と湖上に響くような音を出すイメージがいい。バスに縄張りを荒らす「変な魚」と思わせることができれば、この作戦は成功する。

 庄司会員は大型のバスを追い掛けさせた。実際に38センチもゲットした。

 さらに前後にプロペラがついて水中で音を発するシンキングスイッシャーも有効であることも分かった。産卵をするとバスは深場に潜る傾向が強い。深場に移動するのは、産卵で使った体力を取り戻すため。回復したバスは再びシャローに姿を見せる。つまり、ブレークポイント(カケアガリの際)に絡む場所にシンキングスイッシャーを投入するとヒット確率は、グンと上がるはずだ。

 庄司さんが、目印のない湖面にシンキングスイッシャーを投げた。しばらくフォール(沈ませること)させて、底に触れないように同じレンジを泳がせた。ガツンッ、庄司さんが合わせた。45センチだ。使用したラインは3・5ポンドと極細だった。ラインが細かったこともあり、ルアーがすぐにフォールしたのだ。

 狙い目は、沖のブイ、クイ、橋脚など縦方向のポイントにバスが着いている。予選当日の天気などを考慮して、どのレンジにバスがいるのか、それが分かれば、キーパーサイズをキャッチできる可能性は高い。基本的に放流されたバスはシャローの放流地点近くや障害物の周りに着いている。そんな魚を狙うなら、ポークを使ったダウンショットリグやジグヘッドが有効だ。