<11年年間大賞第3弾・船釣りブロック>

 2011年間大賞のラストは、船釣りブロックの計48地区だ。今年もマグロ釣りがフィーバーし、それを象徴するように、偶然にも神奈川・小田原地区と静岡・伊東地区で過去最大となる68キロをゲットした。クロマグロ

 68キロ青木健さん◆伊東「妙法丸」10月23日

 こちらはクロマグロだ。釣り仲間4人と同乗し、伊東南沖で、生きたサバを餌にして置きザオで狙うが、この日はまったくヒットなし。そのままストップフィッシング(午後1時)が間近となった午後0時55分だ。青木さんのリールからラインが勢いよく飛びだした。200メートル以上出たところでサオを手にして体勢を整えたが、相手は猛烈に走る。リールのドラグを少し緩め、途中からウインチ(置きザオのままリールを巻く)ファイトで何とかやりとりしながら、130メートルほど巻き戻すと、下へ潜り回った。これで「マグロだ」と確信した。

 果たせるかな、午後1時半すぎ、海面下に姿を見せたのはマグロだ。船長がモリを構え、突いた後、同乗者たちが3人がかりで船内に取り込んだ。足元でバタつく巨大魚にビックリしつつも「船長たちが協力して取り込む光景に感動を覚えた」と話す。港で検量して68キロ、自己最大と知って、「あらためて感激」し、船長や同乗者に感謝のため、分け合ったという。

 青木さんは、「妙法丸」で2年前に28キロのモロコを釣って年間大賞を受賞し2度目の栄冠。釣りは、子供のころに父親に連れられて防波堤や小磯のメジナ釣りから始まり、22歳に船釣りに転向。伊東をホームグラウンドに、マグロ狙いは2年目-。「釣りの師匠でもある父が今年亡くなり、しばらく釣りをしなかった」が、落ち着いてから7月に釣りを再開したところ、その時に42キロのマグロを仕留め、続いて9月は40キロ、10月は2日に49キロを釣り、今回の記録魚の後、11月も32キロ、と連発してゲットしている。「こんなことは初めて。父のご褒美だと思います」と感無量に話した後、「大物志向ではないが、次は70キロ超のマグロを釣ってみたい」と結んだ。

 ◆現認者=伊東「妙法丸」太田潔船長(68)

 うちでマグロを狙いだして、2年目の今年はヒット率が高かった。大物となると、運もあるだろうけど、青木さんが釣り上げた68キロは過去最大で、ノー文句の年間大賞。2度目の受賞が物語るように、やりとりなども安心して見ていられる人ですよ。