<フィッシング・ルポ>

 <ゆっくり釣法>で初V!

 「2012日刊スポーツ・フィッシング・サーキット」船釣りブロック・シロギス部門の東京湾神奈川地区大会は10日、3地区合同で計53人が参加して行われた。キス5匹の総重量を競い、600グラムを超す好釣果が2人も出る展開で、横浜・鶴見「新明(しんみょう)丸」に乗り込んだ萩原敏久さん(56=横浜市)がゆっくりリズムの釣り方に徹して良型をそろえ、20グラム差をつけ、大会初参加で初制覇の快挙を達成した。

 今回参加したのは、川崎「つり幸」(須藤光浩船長=52)14人、横浜・鶴見の「新明丸」(新明利勝船長=57)19人、同・山下橋の「広島屋」(石井晃船長=51)20人だ。午前8時に南本牧沖で集合して釣りスタートとなり、前半2時間はマルキユーの餌「特鮮海づりイソメ」を限定使用しての数勝負。小柴沖など、各船はそれぞれ狙う釣り場に入った。

 晴天で海はナギ。潮温も21度台に上昇したが、潮流れが緩慢で魚の食いは今イチ。そんな中、「つり幸」左舷ミヨシ(船首)で島新太郎さん(41=川崎市)がヒットを連発。キスの食い込みが遅いと読み、ハリから垂らし5センチぐらいでまっすぐにセット。キャストを繰り返し、10秒待ったり魚に食いつかせる時間をつくるなど巧みな攻めで27匹を釣り上げて圧勝。25センチ超も仕留めており、この勢いでアオイソメも使用できる後半戦に期待をかける。

 一方、「新明丸」はサイズ狙いで水路にいた。萩原さんは左舷胴ノ間(中央)でサオを出し、数勝負タイムでは7匹だったが、この時に25センチをゲット。キャスト後、糸は<張らずたるませず>にオモリは底に着けたまま、俗にいう<ズル引き>でリーリング。食い込ませるため、アタリが出るまで待ち、時には細かくゆっくりの誘いも入れ、<大型は待って掛ける>に徹する作戦だ。果たせるかな、午後1時のストップフィッシングで26センチ2匹に25センチと24センチを1匹ずつ追釣して計650グラムを提出した。

 島さんも25・5センチを頭に良型をそろえたが、630グラムで20グラム届かず2位に-。「1匹が21センチだったが、これが24センチだったら、あるいは…」と悔しがる。萩原さんは、実は島さんと釣り仲間で「優勝は夢みたい」と話す。しかも初参加での快挙達成で「同乗の妻(佳由理さん=55)も喜んでくれて、場所を選んだ船長と、いろいろ教えてくれた釣り仲間に感謝したい」と付け加えた。横取り方式で3位には「広島屋」の千葉徹さん(43=埼玉県草加市)が539グラムで入賞した。【長瀬川忠信】

 ◆大会成績ベスト10=シロギス5匹の総重量(同量は最大魚1匹の全長審査)によりベスト3は各船中のトップで選出する横取り方式

 (1)「新明丸」萩原敏久650グラム(2)「つり幸」島新太郎630グラム(3)「広島屋」千葉徹539グラム(以下総合)(4)「つり幸」小泉佳彦(45=横浜市)580グラム最大26センチ(5)「つり幸」木野雅志(51=東京都世田谷区)580グラム23センチ(6)「新明丸」井上良久(35=東京都町田市)551グラム(7)「新明丸」広部健一朗(57=横浜市)541グラム(8)「新明丸」渡辺拓也(53=相模原市)525グラム(9)「新明丸」星野年紀(41=横浜市)520グラム(10)「新明丸」小園勇(69=神奈川県小田原市)513グラム

 ▼マルキユー賞=餌「特鮮海づりイソメ」限定使用で数を対象に各船のトップで選出する横取り方式

 (1)「つり幸」島新太郎27匹(2)「新明丸」荻野裕一(44=東京都大田区)19匹(3)「広島屋」小沢治夫(58=横浜市)14匹(敬称略)