<ヘラFISHING>

 清流四万十川の支流・梼原(ゆすはら)川にある高知・四万十町の「津賀ダム」へ24日、豊かな自然の中で良型ヘラの強い引きを味わおうと遠征した。梅雨前線が活発になり強い雨が降るなか、下津井橋の下で雨をしのぎながら長ザオのドボン仕掛けで挑戦。開始早々から活発なアタリが続き約5時間で32・6~39・0センチを38匹釣りあげた。抜群の景観に癒やされながら流れに乗ってサオを絞り込む野ベラの強烈な引きを夢中で楽しんだ。

 津賀ダムでは緑が濃い山々に癒やされながら静寂の中でヘラアタリに没頭することができる。また常に流れがあり、透明度の高い水で育ったヘラはコンディションが良好で活性が高く強烈な引きをみせる。

 強い雨が降る午前9時前、ダム上流の下津井橋の真下(左岸)の浅瀬でヘラの群れを発見し釣台を設置した。ダム放水で通常より流れがきつい中、上手の岸近くにある橋脚跡周りの深みを狙おうと21尺のサオを出しドボン仕掛けをセット。

 2号のオモリを使い、ウキが流れに負けないようにウキ下を3メートルまで伸ばして同10時前から両グルテンのエサで釣り始めた。すると早くも数打目でウキがスーッと上がるドボン特有のアタリ。

 合わすとドッシリした重みとともに魚が勢い良く沖へ走る。水深が浅い(約1メートル)ことと流れが速いために想像以上の引きでサオが満月に絞り込まれるが両手で応戦し何とか引き寄せ37センチの良型ヘラをタモ入れ。

 この1匹を皮切りにアタリが活発に出だすがバラシとスレも多発。強い流れでエサがバラケすぎるのかと考え、硬めのエサに作り変えウキもしっかり水面に出るようにウキ下を3・5メートルまで伸ばすと33~37センチの良型が次々に掛かりだす。

 ヘラの引きが強すぎて取り込みに2~3分もかかるが雨のせいか魚が散ることはなく昼までに同型を15匹釣りあげた。ここで野鳥の鳴き声を聞きながら休憩。雨がやむと霧が立ち込めてきて幻想的な景色が広がる中、午後2時ごろに再開。

 するとすぐにツツッとアタリ。流れに乗って一気に走る引きでサオを弓なりに絞ったのはボッテリした39センチの抱卵ベラ。再び雨風が橋下にも吹き込むが、引きがあまりにも面白いので続行。無我夢中で釣り続け同5時までに32・6~39・0センチを38匹(3割が抱卵)釣りあげ納竿。あいにくの雨だったがマイナスイオンをたっぷり浴びながら緑豊かな自然の中で野釣りを満喫した。【日刊FPC・藤井秀和】

 【今後の見通し】ヘラの魚影がすこぶる濃く活性も高いので釣れ続くと思われる。狙い目は常に流れがある上流部。水位が高いとドボン仕掛け、平水になれば宙釣りで数、型ともに期待できる。水温が低いせいか産卵が遅れておりしばらくは抱卵ベラも狙える。

 【交通】高知自動車道の中土佐ICを出て国道56号を南下。道の駅あぐり窪川を過ぎ、根元原の三差路を右へ。県道19号を進み突き当たりを右折、同381号に入り西へ。道の駅四万十大正を過ぎ、国道439号に入り、北上すると津賀ダムに出る。

 【問い合わせ】西村旅館【電話】0880・27・5008。船はエンジン付き2人乗り1日5000円、手こぎ1人乗り1500円、宿泊は1泊2食付きで6800円。昼は弁当も注文可。