<フィッシング・ルポ>

 定番のアシ際に惑わされるな!

 29日、茨城・新利根川で「2012日刊スポーツ・フィッシング・サーキット」湖川ブロック・ブラックバス部門の予選第5戦が行われる。日刊釣りペン・クラブのバスマン庄司道弘会員(45)がカンカン照りの中、試釣した。誰もが攻めたくなるアシ際ではなく、ちょっと離れた“隠れポイント”にヒントがあった。

 新利根川はアシの生い茂るポイントが多く、アシが群生し、日差しをよける影になる場所を丹念に狙いたくなってしまう。おそらく、しつこくノーシンカーリグやテキサスリグを打ち込んでいれば、釣れないこともないだろうが、確率はよくはない。しかも、アシ際ポイントは新利根川の定番攻略なので、バスの警戒心も高く、仮にバスがいたとしても口をつかってくれない可能性も高い。

 そこで、バスの集まりやすい条件を冷静に考えてみたい。(1)水通しのよい場所(2)ベイト(エサになる小魚やエビ類など)の回遊がある場所(3)強い日差しを避けるシェード(日陰)。アシ際に関してはベイトの回遊やシェードはあっても水通しの条件に大きな差が出てきてしまう。流れの当たりのいい場所で狙ってみたい。

 確実にバスを釣るのであれば、太陽が完全に昇ってしまう前が勝負だ。流れの当たるアシの群生する場所で注目したいのは、アシの際ではなくて、少し離れたブレークライン(カケアガリ)だ。最初は、離れた沖からアシ際のシャロー(浅場)にテキサスリグやダウンショットリグを投じる。ラインは緩めにして、ゆっくりと巻いてくる。何度か試してみたが、ブレークラインでアタリが連発した。

 次にブレークラインの上をなぞるようにラバージグやテキサスリグをスイミングさせた。朝もやが残る中、ひったくるような衝撃とともに40センチ超のバスが釣れた。このパターンでその後もキャッチできた。バスのいるレンジ(泳層)はその日の水温や気温、水の色などで違いが出てくる。まず、シャローから沖に向かって反応を見て、アタリの多いレンジを重点的に攻略していく。バスのレンジさえ分かれば、そこを狙って、ワームの色を少しずつ変えてバスにアピールしていけばよい。

 日差しが強くなってしまうと、(1)~(3)の条件がそろっていても反応すらない場合がある。新利根川には水中に隠れている無数のクイがある。水面を見ているだけでは見えないが、魚群探知機(魚探)などで確認すると集中してクイが打ち込まれているエリアが分かる。ノーシンカーリグをフォール(ルアーを落ち込ませる)させてバスのレンジを探る。反応のあったレンジを集中的に攻めればよい。

 ブレークラインや水没したクイは目で見てすぐには分からないため、事前に底の地形を確認してほしい。もちろん、雨が降ったりすれば、アシ際も有力なポイントになる。ただ、見える定番は誰もが狙うため、バス攻略はかなり高度である。ルアーの相性などもあるので、プラクティス(試釣)は何度か実行して対策を立てることは必要であろう。

 ▼予選会

 日刊スポーツ新聞社指定「松屋」【電話】0299・79・1369。29日に開催。受け付け午前5時30分、競技開始同6時、帰着・検量午後1時。3匹重量(キーパー制限なし)。詳細は要確認。参加1000円。ボート代2500円から。<主催>日刊スポーツ新聞社、日刊スポーツ新聞社指定・共栄会<協賛>がまかつ、マルキユー、箱根湯本ホテル、上諏訪温泉・ぬのはん他