<フィッシング・ルポ>

 ワラサ釣りがアツい!

 今年は、各地でイナダが連発しているが、ここにきて、相模湾の初島海域ではサイズアップした2キロ前後を主体に時折、大型もヒットしている。どちらもブリの若魚で、サオを激しく絞り込む引き味が魅力。先ごろ、神奈川・福浦港の「恵一(けいいち)丸」から出漁した日刊釣りペン・クラブの加藤雄二さん(57)が、ルポする。

 いきなり飛びついた!

 「恵一丸」の山田隆一郎船長(57)の指示ダナより5メートル下までビシ(コマセカゴ)を落とし込み、コマセを振りだしながらタナまで上げてくると、サオ先にモゾモゾ…とサワリ(前触れアタリ)の後、ギュギューンッ!

 ハリ掛かりした途端にサオが激しく絞り込まれた。これがワラサ釣りの醍醐味(だいごみ)。取り込んだのは2キロ余り、イナダとワラサの中間サイズ<イナワラ>だったが、強烈な引きはド迫力!

 ちなみに、ワラサはブリの若魚で、「イナダ」→「ワラサ」、そして「ブリ」と成長過程で名前が変わる出世魚だ。

 釣り場は、福浦港から航程30分ほどの初島海域。水深は40~50メートルラインで、釣り開始から1時間ほど入れ食いだったが、しばらくして、エサ取りの猛攻が始まった。魚の活性が落ちたのか?

 私は2キロクラスを6匹キープしたところで、ハリスを長めにして、マダイ狙いにチェンジ。これがビンゴ!

 グッ、ググーンッ!

 と切れ味鋭い引きでサオが折れ曲がり、3キロ弱の、きれいなピンク色のマダイが躍り上がった。

 そんな中、右舷のミヨシ(船首)にいた青木正さん(63=神奈川県茅ケ崎市)は、早めの手返しでエサ取りの猛攻をかわしながら、計18匹をゲットしてサオ頭に-。左舷トモ(船尾)では加藤貴則さん(28=東京都大田区)が、この日の最大となる5キロのワラサを取り込み、船中は大変なにぎわい。1時間ほど早く納竿(のうかん)となり、結果はスソでも6匹を収め、他にハナダイも釣れたり釣果もにぎやかだ。

 まだイナダクラスが多いが、山田船長は「例年11月ぐらいまで狙うが、潮温が下がるにつれて大きさも脂ののりも増すワラサが多くなるはず」と話す。ワラサ主体の釣りが楽しめるのはこれからだ。

 ▼船

 日刊スポーツ新聞社指定「恵一丸」【電話】0465・63・8171。ワラサの乗合は今月15日まで出船は午前5時(以降は変更あり)エサ&コマセと氷付き1万1000円。

 ▼交通

 電車はJR東海道線・真鶴駅からタクシー利用。マイカーの場合、西湘バイパス・石橋インターから国道135号を走り、真鶴新道を経由して福浦漁港へ。詳細は要確認。