<アユFISHING>

 待ちに待ったアユの友釣りが西日本の主要河川で5月下旬から順次、本解禁される。全体的に水位が低い状況が目立つが、紀伊半島や四国、九州で天然そ上が非常に多く豊漁の見込み。すでに早期解禁された一部の河川で好釣果が続いており期待大。日本海側は特に水が少なく、そ上が遅れ気味の川もあるがアユの数は多そうだ。2年前の大雨災害による被害が残る河川も川相が回復してきており、復活の兆しが感じ取れる。今年も終盤まで十分に楽しめそうだ。

 【岐阜県】長良川水系は下流域で多くの天然そ上が確認されている。水量が増えて上流域までそ上すると面白くなる。湖産放流の多い益田川は梅雨明けからが本番で8月中旬には大アユが狙える。馬瀬川上流は水質が良くアユの味が抜群に良い。付知川は成育良好で15~18センチが確認できる。日当たりが良い田瀬地区の島田橋、新立橋周辺で数釣りが楽しめるだろう。

 【愛知県】矢作川は例年並みに天然そ上が見込める。初期は笹戸温泉から上流が狙い目。梅雨明けからの最盛期は中流~下流(豊田市内)での数釣りに期待。寒狭川は湖産を多めに放流しており活発な追いが楽しめる。清崎地区がお勧め。

 【福井県】九頭竜川中部は天然そ上が順調。放流量も昨年より1トン多いので梅雨明けからの良型に期待したい。解禁が1週間、早まった北川、南川は天然そ上が例年並みにあるが、渇水のため一雨欲しいところ。

 【三重県】大内山川は追いの良い静岡の人工産中心に放流。工事が終わり、川の状況が良くなっているので期待できそう。昨年よりも1週間早く解禁された宮川上流は川の状態が良く、成育良好で良く釣れている。湖産を放流している長瀬太郎生川はハミ跡が多く成育良好。比奈知ダムからのソ上も例年並みで解禁日には17~18センチが掛かりそうだ。名張川は高山ダムからのそ上が非常に多い。

 【奈良県】湖産放流の天の川は石が良く磨かれており、初期から活発に追いそうだ。昨年、好調だった吉野川吉野も石色が良く成育が良好。大雨の被害を受けた十津川も本流と神納川をのぞく各支流で友釣りが再開される。北山川は池原ダムからのそ上が良好だ。

 【和歌山県】古座川は天然そ上が非常に多く成育も良好で期待大。4月初旬から追いアユが確認されており、すでに18センチ級に育っているものもいる。早期解禁された有田川は二川ダム上流で成育順調。ダム下流は今年も天然そ上が多く終盤まで楽しめる。日高川の龍神地区は追いが活発で数が釣れている。日置川はここ数年で天然そ上が最も多い。支流・前ノ川には地元の有志が海産系の人工産を約1万匹放流。紀ノ川もそ上が良好で漁協で育てた良質の稚アユも放流されている。終盤の大アユにも期待したい。

 【滋賀県】安曇川中流の朽木は湖産の稚アユ15~18グラムを10日から3000キロ放流。心配していた天然そ上も例年並みに見込めそう。

 【京都府】上桂川は湖産を放流。山国地区の中江橋周辺で追いアユが確認でき、成育良好。例年よりも9日早く解禁される美山川は人工産を多めに放流。川相が良くなっており、ハミ跡も多く見られ、面白そう。由良川は天然そ上が例年よりも多いが、渇水のために中、下流域でそ上が止まっている。一雨降れば上流まで上ってくるだろう。

 【兵庫県】揖保川は昨年の倍以上の天然そ上が見込まれる。放流も順調で7月まで180万匹以上を放流予定。成育良好で終盤の尺アユにも期待が膨らむ。千種川は海産くみ上げと人工産、湖産を放流。三河地区から上流に友釣り専用区があり初期の狙い目。中流から下流は災害復旧工事が残っている所もあるが、終盤の大アユに期待がもてる。

 【中国地方】岡山県の吉井川は天然そ上が例年並みに期待できる。広島県の江の川は大きめの稚魚を放流。鳥取県の千代川は天然そ上が良好。島根県の高津川は成育良好で大きいものは14~15センチに成長している。天然そ上も例年並みにあり7月の盛期に数釣りが楽しめる。水質が良くアユがうまい支流の匹見川も魅力。

 【四国】仁淀川は天然そ上が抜群に多く、期待できる。四万十川も下流域で天然そ上が例年以上に確認できる。1人一瀬のゆったりした友釣りが楽しめ、9月初旬から尺アユも狙える。

 【九州】球磨川は天然そ上が非常に多く、川の状態も良好なので肉付きの良い太いアユが掛かりそう。引きが強く、アユの味が良い五ケ瀬川は解禁当初から20センチ超の良型が追ってくる。【日刊FPC・下田成人】