<2013年間大賞:船釣りブロック>

 2013年間大賞の発表でラストを飾るのは、船釣りブロックの計44地区だ。日刊スポーツ新聞社指定・共栄会に所属する釣り宿&釣具店で今年、出た大物や最多など価値ある記録を樹立したアングラーに贈られる。

 ◆クロマグロ=70キロ

 鈴木幸夫さん(61=八王子市)、静岡・伊東「妙法丸」6月21日

 こちらは、伊東南沖のマグロ釣りにハマっている。何せ、マグロの猛烈な引きに対応すべく体力づくりのため、トレーニングジムに通うほどの入れ込みようなのだ。

 生きたサバをエサにして狙うが、ゼロに終わることも珍しくなく、巡り合いには“運”も必要!?

 鈴木さんは「やればアタリがあるはず、と思ってしまうぐらいツキがあった」と振り返る。まず、1匹目は5月10日に44キロ、同24日に37キロ、6月は15日に61キロをゲットした。いずれもクロマグロだ。そして、迎えた当日、穏やかな海上で仲間と3人で右舷側に並んでサオを出した。鈴木さんはミヨシにいて、先に釣友が40キロを釣り上げ、訪れた午前10時すぎ-。

 サバの泳ぎにまかせ、置きザオのままラインを送り出していたが、そのサバがUターン。で、入れ直し、40メートル余り出た次の瞬間、ギャーッ!

 鋭い音を発してリールからラインが飛びだした。船長が魚の泳ぐ方向に船を走らせたが、リールを巻いてもそれ以上にラインが出ていく。バトルは30分余り続き、やっと手前まで寄せ、船長がモリを突いた後、船に備え付けの滑車を使って船内へ-。横たわる巨大魚に全員から歓声を浴び、あらためて感動したという。

 鈴木さんは、さらに8月2日にキハダマグロ27キロと26キロ2匹を釣り、同25日はクロマグロ44キロ、9月も13日に27キロ、同24日24キロとヒットを続けたが、10月にジムでの頑張りが過ぎて、けがを負い釣行ストップ。それでも、「自分の体重(70キロ)を目標にしていたので、それが達成できて満足」と話す。

 釣りは、ほかにマダイやアユ釣りも楽しむが、もっと“のめり込みたいから”と55歳の時に務めていた社長の座を後進に譲り、今や「釣りが人生」。「妙法丸」の年間大賞も04年に7・9キロのヒラメで受賞して以来、2度目。「来年はみんなで100キロ超を釣ろう」と決めている。

 ◆現認・伊東「妙法丸」太田潔代表(70)

 うちが伊東南沖のクロマグロを狙いだしてから4年目だが、今年はシーズンを通して合計で65匹を釣り上げ、過去最多を記録した。昨年は83キロが最大だったけど、鈴木さんの70キロだって見ごたえのある大物ですよ。とにかく熱心で粘る人。途中のけががなければ、あるいは10匹台突破も狙えたし、夢の100キロ超もいけるかもしれませんよ。