<船FISHING>

 寒サバがいよいよシーズンイン!

 丸々と太った良型の数釣りを楽しもうと和歌山・湯浅の「なぎ丸」(日刊銀鱗倶楽部加盟店)の乗合船で28日、紀伊水道のラングイへ出た。午前7時半ごろから、サビキ仕掛けで探ると、休む間もない入れ掛かりが続き、大半がクーラー満タン釣果で正午前に終了。サオ頭は和歌山市の日置義信さん、純さん夫妻で35~45センチのサバを2人で185匹、25~30センチのイワシも72匹ゲット。サバは例年以上に群れが大きく、今後は爆釣が続きそう。

 一斉にガンガンガンとサオの穂先をたたき、船上に次々と寒サバが舞った!

 午前7時半ごろ、サバの大群が待ちうける紀伊水道のラングイに入った。海は風もない絶好の釣り日和。船長がすぐに魚群探知機でサバの大群を見つけた。「水深60メートル付近を狙って」との掛け声で一斉に開始した。

 さっそくコマセカゴにアミエビを詰めた、サビキ仕掛けを指示ダナまで落とし、サオを大きく振ってまきエを効かせると全員にアタリ。荒っぽい締め込みで次々サオが曲がり、いきなり爆釣モード。強い引きに負けじと力まかせに引きあげ、ブリブリに肥えた35センチのサバを抜きあげた。太くて生きが良く、ブルッブルッと元気良く暴れる獲物を手に思わずにんまり。

 水温が低い、この時期のサバは脂が乗っていて、最高にうまい。新鮮なものを刺し身で食べられるのは釣り人の特権だ。そんな絶品サバをたくさん釣るコツは手返しの良さに尽きる。アタリが出たら、一気に引きあげ、獲物を素早く氷締めにして鮮度をキープし、すぐに仕掛けを打ち返してまきエを絶やさずに釣っていく。追い食いを待つとサバが暴れ回って仕掛けがぐちゃぐちゃになってしまうのだ。

 この要領で釣るとサバの乱舞が続き1~3連の怒涛(どとう)の入れ掛かりで大忙し。

 「寒サバ釣りは冬場の恒例行事になっている」と話すヘ先の日置義信さんは40、45センチを2連で食わせ「サバは刺し身、塩焼きもいいが、3枚におろした身をすき焼きにするととてもうまい」と妻の純さんと交互にサオを曲げていく。

 ひとしきり釣ると、上層にイワシが寄りだすが、隣の西山茂さん(紀の川市)は「上層でイワシが掛かったら、サオを振ってハリから外し、サバのタナまで仕掛けを落として数を伸ばすんだよ」。私も見よう見まねで釣っていくとイワシ交じりながらサバが掛かり続け、正午前に納竿。全体で35~45センチを50~90匹も釣りあげ、クーラー満タン釣果で帰路に着いた。【中村和嗣】

 【今後の見通し】寒サバはこれからが本番で徐々に型が大きくなり、35~45センチの3ケタ釣りが、3月中旬まで期待できる。仕掛けがからむと、どんどん新しいものに交換し、まきエをきらさずに釣り続けると、好釣果につながる。外道のイワシも型が良く、刺し身や煮つけで食べると絶品だ。

 【問い合わせ】なぎ丸【電話】0737・62・3890。寒サバの乗合船料金は1万1000円(仕掛け2個、エサ、氷付き)。無料仮眠所あり。出船は午前5時半ごろ。ほかにも、日高町阿尾に「共栄丸」【電話】0738・64・2318、御坊に「千代丸」【電話】0738・23・1621がある。

 【交通】電車はJR紀勢本線の湯浅駅下車。海岸方向へ徒歩約15分。車は阪和自動車道有田ICを出て国道42号に入り湯浅の交差点を右折。約3分で湯浅港。