<アユFISHING>

 きれいな天然アユの数釣りが楽しめることから近年、友釣り師の注目を集めている南紀・古座川へ21日、釣行した。午前9時前から一枚岩前に入川。梅雨入りしたが、まとまった雨が降らず、川は超渇水状態。曇り空で釣り荒れという三重苦だったが、鶴川橋上流、洞尾へと場所移動をしながら深瀬を変化をつけた泳がせ釣りで攻め、午後5時半前までに16~21センチを23匹追わせた。タフな条件下では納得のいく釣りができた。

 イレギュラーなオトリ操作が、超渇水で深場にたまる野アユの闘争心に火をつけた!

 午前9時前から名勝「一枚岩」の前に入川。瀬の開きのトロ場に狙いを定め、ナイロン糸の泳がせ釣りで攻めていく。

 まずはオトリを自由に泳がせるが反応なし。次はロッド操作でオトリを流シンへ誘導し、オトリの鼻先を少し引き上げ、すっとテンションを抜くと野アユが即反応。いきなり18センチの良型がタモに飛び込んできた。

 素早くオトリを交換し、送りだすと石と石の間を縫うように流シンへ泳いでいく。そして目印が一瞬、浮き上がり、水中へ。掛かりアユが流れに乗って走るが、サオの角度を保ちながら川を下って仕留めたのは追い星が3つもある19センチの海産で、背びれが長く、垂れ鼻のとがった美形だった。

 続けて同様に上流へ泳がせると、入れ掛かりで良型を2匹追加したが、5匹目が口掛かりでバラシ。その後は反応がばったりなくなった。天然そ上の河川では循環がとぎれると追いが続かないのは顕著だ。しばらく沈黙が続いたあと、16~19センチをポツリポツリと釣りあげ、正午までに5匹追加し休憩タイム。午後1時ごろから鶴川橋上流の瀬へ。

 深瀬の流シンにオトリを送り込み、上へ飛ばすと、すぐにガツンとハリ掛かり。グイグイとサオを絞ったのは21センチの良型で、頭の先からしっぽまで黄色の膜に覆われ、あごの下がオレンジ色をした抜群に美しいアユだった。追い気満々のオトリに替わると同型の付きアユが好反応。同3時半までに6匹追加し、型の良さと美しい魚体に感激した。

 最後は洞尾橋の400メートルほど上流の瀬へ。ここでもオトリを20~30センチ上下に動かしながら泳がせると、目印を上流へひったくるアタリが出て18~20センチが4連続でハリ掛かり。最後は大トロで同型を2匹追加し16~21センチを23匹追わせ同5時半前に納竿。良型の引きを堪能して川をあとにした。【日刊FPC・井上富博】

 【問い合わせ】古座川漁協【電話】0735・72・3800。年券1万800円、日券3240円。

 【交通】阪和自動車道の南紀田辺ICから国道42号を南下。串本町和深から県道39号を北上。三尾川橋を渡り国道371号を古座川に沿って南下し一枚岩周辺へ。

 【今後の見通し】渇水が続いているため、アユが土用隠れのような状態になっている。解禁から1度もアカが飛ばされてないので、まとまった雨が降り、川がリセットされると面白くなる。下流部ではそ上を意識したアユの大きな群れがいくつも確認できたので梅雨明け後の最盛期に期待が膨らむ。