<チャレンジ!!ヘラブナ道場!!>

 一般から門下生を募って、ヘラブナ道場を寄居町・円良田(つぶらた)湖(埼玉)で番外編を開場しました。集まった新門下生は5人。前半は関川康夫師範代(61)と大関実コーチ(46)にいろいろな質問を浴びせるクリニックで、後半は3時間限定の数釣りミニ大会を開催した。エサの配合やハリスの長さなど「ちょっとした工夫」でヘラ釣りの新境地が見えてきた。

 朝から、もわーんとした熱気が湖上を支配していた。湖面にヘラの姿は見えるものの、潜っていく様子はない。円良田湖の梨ノ木桟橋で番外編の道場がスタートした。この日は師範代がサオ8尺(約2・4メートル)の浅いタナ(魚の泳層)を攻めた。テンポよく釣れたが、太陽が湖面を照り付け始めた午前8時過ぎにアタリが止まった。

 師範代

 う~ん、ヘラが落ち着かないね。同じ釣りを続けていてはダメだな。

 9尺(約2・7メートル)で調子よくサオを上げていた高田弘さん(42=美里町、ヘラ歴10年)だったが、明るくなって動きが止まった。18センチと28センチだったハリスの長さを師範代から「少し長めの30センチ、40センチにしてみなよ」とアドバイスされ、半信半疑で替えてみた。

 高田さん

 ちょっと長いかなぁ、と思ったけどズバッ、ときました。長いハリスは待ち切れないけど、今日は一拍タイミングを遅らせるイメージ。ハリスのちょっとした長さだけで全然アタリの数が違う。

 エサの配合では、大関コーチが歩いてまわった。両ダンゴですべてを同じにしない方法を伝授していた。

 大関コーチ

 例えば「凄麸」はかなり完成されたエサなので、全体の6~7割でいい。「ガッテン」もベースになるけれど、それでも全体の2・5~3割ですね。エサを開く(バラける)か、閉じる(エサ持ちを良くする)か。この硬軟を使い分けることで、ヘラを集めて、食わせることが自在になる。

 そう説明して、エサ投入後のウキの動きを実践してみせた。

 目を丸くしたのは、先輩の小沢誠史さん(31=秩父市、ヘラ歴6年)に誘われてヘラの世界に入った堀内健司さん(29=秩父市、ヘラ歴4年)だ。

 堀内さん

 今まで、水にとけやすいボソタッチは使い方がわからなかったし、こんなにウキを動かすことができるとも思ってなかった。やってみたら何となく分かった。ヘラは奥深い。

 小沢さんも堀内さんも元はバスマンで、自分が動かずに魚を動かすヘラ釣りにはまってしまったという。

 若杉慈彦(やすひこ)さん(54=狛江市、ヘラ歴5年以上)は、15尺(約4・5メートル)で粘っていたが、反応が薄いため、大関コーチが当たっていた18尺(約5・4メートル)に変更して、最終的には12尺(約3・6メートル)に落ち着いたが、ヘラを追い切れなかった。

 若杉さん

 「段差バラケ」はセット釣りで使うものだ、と思っていましたが、両ダンゴに混ぜて効果的であることが驚いた。今後このパターンは使ってみる。

 田中寿美男さん(56=川越市、ヘラ歴8年)はエサの配合を大関コーチに教えてもらった。

 田中さん

 今までは1つエアをこねて使っていたけど、エサワークは重要なんですね。

 前半のクリニックを踏まえて、後半は午前9時30分から3時間限定の匹数勝負を実施した。結果は、クリニックでは19尺(約5・7メートル)の長ザオだったが、勝負では13尺(約3・9メートル)に変更した小沢さんが16匹で1位だった。

 小沢さん

 自然湖で両ダンゴの釣りが好き。でも、段差バラケを配合するのは衝撃だった。ハリスの長さや緩めのエサづくりだったり、自分で工夫する楽しさがもっとあることがわかった。面白かったです。

 小沢さんにはマルキユーからポーチやTシャツ、地元寄居町観光協会からは、8キロの大玉スイカ、梅ジュースなどが副賞として贈られた。【写真&構成・寺沢卓】

 【問い合わせ】円良田湖管理事務所【電話】048・581・8511。桟橋は開始午前5時、終了午後4時。使用料2000円、ボート釣りもあり出船午前5時半、2500円(入漁料含む)。