<チャレンジ!!ヘラブナ道場!!>

 2014日刊スポーツ・フィッシング・サーキットのヘラブナ部門予選が23日、山梨・精進湖で開催される。両ダンゴの宙釣りでの攻略になりそうだが、いかにタナ(魚の泳層)を察知できるか、がキーポイントとなる。今回は、自然湖に初挑戦となる小学生釣り師の佐野代吉くん(12)が門下生となった。

 すっかり精進湖は秋色に染まっていた。ボートを出す前、まだ太陽は昇っていない。釣り宿「湖畔荘」では、ストーブをたいていた。湖面の標高は902メートル、夜間は震えるほどに寒くなる。つまり、ヘラの行動が秋仕様になってきているのである。

 大関実コーチ

 秋は「タナ」を釣れ、というヘラ界の格言がある。まさにヘラがどこにいるか、を探って、ヘラをどこに集められるか、による。

 秋は水温が落ち着かないこともあって、ヘラも同じ場所にはいないことが多い。その日のヘラの居場所を見つけて、エサを効果的に打てるか、が勝負の分かれ目になる。

 今回は、茨城・大子町の門下生2人が仕事の都合もあって欠席。そこで、劇団ひまわりに所属する子役の代吉くんと父和彦さん(53)を新しい門下生として迎え入れた。

 代吉くんのおじいさんはヘラ釣り好きで、アマチュアながら、自分好みのウキまでつくっていたという。ただ、ヘラ師の血を受け継ぐ代吉くんではあったが、これまでは管理釣り場での経験しかなかった。ボートをこぐのも、ロープにボートを結びつけるのも初体験だった。

 関川康夫師範代

 自然の湖でのダンゴ釣りをどう楽しめるかだね。でも、ボートこぎもロープに結ぶのも器用にこなす。これなら釣りもうまいな。

 湖畔荘から対岸の松ノ木に入った。サオは16尺(約4・8メートル)。エサは「ガッテン」「天々」「水」を「2:2:1」でよく混ぜて、最後に「パウダーベイト」1を振りかけてなじませる。

 代吉くんが仕掛けを投入したが、着水ポイントがズレてしまう。

 大関コーチ

 代吉、サオを力ずくで前に出すんじゃなくて、サオ先を前方に倒して、仕掛けを持つ手を離してやれば、振り子の原理で自然と狙ったポイントに着水するぞ。

 これなら力を使わずに無理なく投入できる。しかし、ウキがキュンッ、と軽く沈むもののアタリはない。

 師範代

 ハリスにヘラがぶつかってくる。ハリスを5~10センチほど短くしてみるといい。

 師範代のアドバイスが効いたのか、代吉くんはアタリを連発。全長約30センチのヘラをゲットした。ところが、しばらくすると静かになってしまった。

 師範代

 ダンゴの形を変える。上バリはバラケなので、ヘラがつつきやすいようにかどばらせる。下バリはつるん、と丸くして、ハリの軸にかませるように、ちょっとだけ下に引く。バラケと食わせでエサの形を変えて、ハリの付け方を変えるのも効果的ですよ。

 代吉くんは「今まではなんとなく釣れていた。キャストを正確にして。タナをちゃんと合わせれば、ヘラは釣れることが分かりました」と目を輝かせた。【寺沢卓】

 ▼宿

 精進湖「湖畔荘」【電話】0555・87・2003。23日予選会は、午前4時30分集合、競技開始は同5時30分。納竿は午後1時。ヘラブナの総重量審査。参加費は4000円で、ボート代と入漁料含む。上位5人は11月15日に千葉・三島湖「ともえ」で実施される決勝に進出。