<2014年間大賞:船釣りブロック>

 2014年度年間大賞発表の大トリは、船釣りブロックです。日刊スポーツ新聞社指定・共栄会に所属する釣り宿計45地区で今年、最大&最多もしくは価値ある釣果をみた人に贈られるもので、その中から南房・吉浦(千葉)で取り込まれた12キロの大ダイにスポットを当て紹介しましょう。

 ◆マダイ=12キロ

 浦田崧さん(61=千葉県浦安市)、南房・吉浦「八平丸」12月7日

 大物との遭遇は、多分に“運”にも左右される。右舷のトモ2番目にいた浦田さんにそんな幸運が訪れたのが午前7時すぎだ。指示ダナは(上から)40メートル。置きザオで待つと、船長から「場所移動」コール…で、電動リールを巻き始めた途端、サオが根元から大きく折れ曲がった。付けエサはオキアミの1匹掛け、これが急に動いたことで反射的に食いついたらしい。慌てて手に持ったが、相手は前方へ猛烈に走り、“バトル劇場”に-。

 周りの人たちは仕掛けを取り込んで見守る中、慎重なやりとりを続けること30分余り…海面下に巨大魚の姿がユラ~リ。素早くタモ網に収めたのが大ダイで、最初は「7~8キロぐらい」に見えたが、船着き場に戻って目方を量ると“まさか”の12キロを表示したのだ。

 浦田さんは、船釣りはうまい魚を求めて20年のキャリアで、ほかにヒラマサなどいろいろ楽しむが、マダイはこれまで6・5キロが自己最大で“倍返し”の記録更新。「今年はオニカサゴやヤリイカも狙ったが、あまりタイしたことなかったし、このマダイに出会えたことでいい締めになった」と振り返る。建設会社の会長を務め、釣りはストレス解消になり調理も得意で、今回のマダイは会社の打ちあげで刺し身など大盤ぶるまい。「みんなに喜ばれるのが最高」と結んだ。

 ◆現認・吉浦「八平丸」鈴木篤幸代表(60)

 今年は、マダイは8キロ前後が結構出たが、ハリス切れなどでバレたりして10キロ超は2匹だけ。キャリアが長い浦田さんはやりとりなど安心して見ていられる釣技の持ち主で、12キロは浦田さん自身の記録更新だけでなく、うちの過去最大11・5キロも上回るレコード。来年はもっとデカいものを目指してほしいですね。