<フィッシング・ルポ>

 冬場のコマセダイ(コマセ釣りのマダイ)は<コマセワーク><タイミング>がカギ!

 この時期は、潮温の低下とともに深場に移り、活性も鈍いが、それでも時折、トップが5匹以上のタイ漁をマークし、大ダイもヒットしている。先日、横浜・金沢八景の「太田屋」で行われたコマセダイの釣り教室で見えた攻略のヒントは、コマセの使い方とヒットのタイミングだった。

 コマセダイ釣り教室は計6人が参加、乗合船に同乗して行われた。晴天下入った釣り場は久里浜沖で、朝のうち北系の風が吹き、下げ潮時だが、あまり効かない。それでも、左舷のトモ(船尾)2番目にいた教室組の阿部一郎さん(55=神奈川県横須賀市)にヒット!

 講師役の加藤雄二さん(59=日刊釣りペン・クラブ)がやりとりのアドバイスをし、取り込んだ船中第1号のマダイは600グラムクラス。阿部さんにとっても初の獲物で「やっタイ」とニッコリ。さらに釣果を伸ばし午前中に計4匹を収め、ご本人ビックリ!

 

 釣り方は、太田一也船長(46)の指示に従って(上から)タナを取り、置きザオで待つ。反タイ側右舷トモで安藤義夫さん(52=東京都世田谷区)にもきた。こちらは400グラム余りで、同ミヨシ(船首)2番目の谷脇潤一さん(52=東京都町田市)も同サイズをゲットし、教室組がダイ奮闘!

 タイするベテラン勢では左舷ミヨシでサオを出す新井利行さん(51=横浜市)が連発、3匹をキャッチした。

 潮温は13度台で途中、風が南系になり、潮も上げに変わった途端にサバが掛かりだした。いずれも40センチ以上で丸々と太り、激しくサオを引き込む。たまらず太田船長は釣り場の移動を繰り返し、昼すぎだ。右舷トモ2番目で教室組の柿沼良介さん(28=川崎市)が自身初のマダイ400グラム級を釣り上げた後、再びアタリがきて、同時に隣の谷脇さんのサオが折れ曲がり、何とダブルヒット!

 安藤さんも1・3キロを追釣、魚の食うタイミングにハマッたらしい。沈黙を続けていたベテランの斉藤秀夫さん(66=東京都渋谷区)のサオがギュンギュンッ!

 この日最大の1・8キロが躍り上がり、「やっとタイの引きを見た」と小躍り!

 午後3時のストップフィッシング直前に左舷トモで教室組の水梨隆志さん(41=東京都西東京市)が、自身コマセダイとして初ゲットを果たした。残念ながら1人がゼロに終わったが、「太田屋」ではトップが10匹超をみており、タイ漁の可能性はまだまだありそうだ。【長瀬川忠信】<加藤雄二さんのアドバイス>

 冬場のマダイは潮温の低下で活性が鈍いが、通常なら邪魔になるエサ取りも少なくなる利がある。

 ◆インターバルは長め

 活性が低いマダイは警戒心も強く、潮下にいて流れてきたコマセを食べていることが多いが、我慢できずに潮上まで入ってきて小魚を追い払い、食べ始める-いわゆる<地合い>で、これがヒットするタイミング。また、潮の変わり目や潮温がちょっとでも上昇したときに食いだす場合もある。このタイミングにエサがタナになければチャンスを逃す。エサが取られるようならタナを少しずつ上げ、上で食わせた方が魚は散らずヒットが続く。基本的にコマセは<ポロポロ出る>のが理想で、エサ取り対策も考え、余分なエサはまかず長めのインターバルで構えるのがポイントだ。

 ▼船

 日刊スポーツ新聞社指定「太田屋」【電話】045・782・4657。マダイの乗合は午前7時20分出船で付けエサ&コマセと氷付き1万500円、女性と小&中学生は5000円。ほかにライトタックル(LT)のアジ釣り午前&午後便とルアーの五目釣りも出漁中。木曜日定休。HP<http://www.otaya.net/>

 ▼交通

 電車は京浜急行線・金沢八景駅下車。送迎バスあり。車利用も含め詳細は要確認。

 ※「太田屋」では次回、コマセダイ釣り教室を2月15日(日)に実施する。午前6時半集合で納竿(のうかん)は午後3時の予定。実釣レッスンのほかマニュアル講習もあり。申し込みと問い合わせは「太田屋」へ-。