東京都の小池百合子知事(64)が2日、東京五輪組織委員会の事務所内で行われている都、国、組織委、国際オリンピック委員会(IOC)の4者協議が完全非公開で行われている現状に苦言を呈した。

 五輪、パラリンピック旗の全国ツアーの皮切りに福島県を訪れ、イベント後の会見で「基本的に情報公開すべきだ」と語った。

 IOCなど「相手方もあるからでは」と一定の理解を示しながらも「リオ、ロンドンでも情報公開をすることで世界からアイデアが集まった」と話し、開かれた議論の必要性を訴えた。その上で「東京都が主体のものは公開する」とアピールした。

 福島県の内堀雅雄知事との約13分の会談もフルオープン。対照的に同じく同知事と会談した丸川珠代五輪相(45)は冒頭約2分を公開した後、非公開となった。

 一方、福島県が福島市などで野球・ソフトボールの予選開催を目指していることについて丸川氏は「福島での開催に向けて精いっぱい努力していきます」と明言したのに対し、小池氏は「会場についてはテクニカルワーキンググループ(4者協議)が始まったばかり。福島や被災地の復興へ声を上げていきたい」と述べるにとどめた。

 また、小池氏は東日本大震災と東京電力福島第1原発事故の被災地である福島県沿岸部も視察し、11年の震災直後にランドセルを送った鈴木悠さん(小6)といわき市内で再会した。小池氏は「すっかり大きくなっていた」と目を細めた。当時について「野党でなかなか力になれることがなかった。入学式前にランドセルが津波で流されたと聞いた。ツイッターが始まった頃で『ランドセルを送ってください』と入れたら2000ほど集まった」と振り返った。