総務省が10日発表した2023年度の家計調査によると、1世帯(2人以上)当たりの月平均消費支出は29万4116円で、物価変動を除く実質で前年度比3・2%の減少だった。マイナスは3年ぶり。減少率としては、新型コロナウイルス禍の外出自粛で消費が落ち込んだ20年度の4・9%減に次ぐ過去3番目の大きさ。食料品などの相次ぐ値上げで買い控えが広がった。

24年春闘は大企業を中心に高水準の賃上げが相次いだ。今後賃金への反映が進むものの、歴史的な円安もあって物価高の収束は見通せず、消費者心理が一段と冷え込む恐れがある。

消費支出を項目別にみると、約3割を占める「食料」が1・9%減だった。パンや乳製品、魚介類、肉類、野菜などの幅広い品目で食費を切り詰める動きが広がった。

「教育」は1・4%減で、学習塾や予備校などの補習教育が落ち込んだ。「家具・家事用品」は5・9%減だった。「光熱・水道」は3・7%減で、暖冬により電気やガスの支出が減ったことが影響した。

同時に発表した24年3月の消費支出は、実質の前年同月比が1・2%減の31万8713円で、13カ月連続で減少した。「光熱・水道」や「教養娯楽」が減った。休日が前年同月より多かったこともあって外食を含む「食料」は増えた。(共同)