栃木県那須町で焼損した夫婦の遺体が見つかった事件で、警視庁と栃木県警の合同捜査本部は、夫婦殺害に関与した疑いが強まったとして、殺人容疑で建設業平山綾拳容疑者(25)を11日に再逮捕する方針を固めた。捜査関係者への取材で10日、分かった。事件の仲介役とされ「殺害についても指示を受け実行役に伝えた」と供述しているという。

夫婦の長女と内縁関係にあり、事件を主導したとみられる会社役員関根誠端容疑者(32)ら計6人が死体損壊容疑で逮捕されていた。殺人容疑での再逮捕は初となる。

捜査関係者によると、平山容疑者は仲間と共謀し、4月15日午後11時50分~16日午前1時半ごろ、東京都品川区の空き家のガレージで会社役員宝島龍太郎さん(55)と妻幸子さん(56)を殺害した疑いが持たれている。いずれも窒息死で、幸子さんの頭や顔には複数の殴打痕があった。

平山容疑者は職業不詳佐々木光容疑者(28)から遺体の処理の指示を受け、ガソリンや粘着テープなどを購入。実行役とみられる職業不詳姜光紀(20)と元俳優若山耀人(20)の両容疑者に15日夜に車を貸していた。17日に品川区の交番に出頭し、21日に死体損壊容疑で逮捕された。

平山容疑者は遺体処理の他に殺害目的もあると認識し実行役に車を貸すなどしたとみられ、捜査本部は共謀に当たると判断。残る容疑者についても殺人容疑で捜査する。

空き家は前田亮容疑者(36)が役員の不動産会社が管理。ガレージには幸子さんの血痕があり、平山容疑者の車からは幸子さんの血が付いたハンマーも見つかっていた。

平山容疑者は「佐々木容疑者は100万円、自分は900万円の報酬を受け取った。姜、若山両容疑者には250万円ずつ渡した」と供述。関根、前田両容疑者以外は夫婦と面識はなく、捜査本部は報酬目的だったとみている。(共同)