来年で50周年の着せ替え人形「リカちゃん」に、6代目のボーイフレンドが誕生した。スポーツが得意で長身の「はるとくん」(3200円=税別)が、先月22日に発売された。日本人のスポーツ選手が活躍していることなどを背景に、最新のトレンドを取り入れ、好調な売れ行きという。1968年(昭43)登場の初代「わたるくん」から続く5人もあらためて振り返り、当時の世相を探った。

 少女たちの憧れや夢を形にしてきた国民的アイドル「リカちゃん」。半世紀に近い歴史の中で、イケメンで細身のボーイフレンドたちも、ロマンチックな世界観に寄り添ってきた。

 6代目の開発は昨年から始まった。ラグビー日本代表、テニス錦織圭、フィギュアスケート羽生結弦など、日本人の海外での活躍を受け、スポーツが得意な男の子がコンセプト。「Track and Field(陸上競技)」と書かれた青いシャツに半ズボン、スポーツシューズの装いになった。

 開発を担当したタカラトミー社の橋本泰子さんは「野球やサッカーに限らず、スポーツ万能というイメージ。2020年東京五輪出場という夢もあります」と説明。ファッションリーダーのリカちゃんと同様に、時代を先取りした。

 名前は「はるとくん」で、漢字表記は「桜井遥斗」。生保会社による新生児の名前調査で、「はると」の読み方が昨年まで7年連続1位という結果を反映させた。長寿シリーズで親世代のファンも増えたことから、要望が多かった「大人っぽい男の子像」も表現。歴代のボーイフレンドで最長身(約26センチ)になった。

 ウエディングドレスを着たリカちゃんと、タキシード姿のはるとくんをセットにした「プレミアムウエディングセット」(9260円=税別)も来年4月に発売予定。同社公式サイトを通じた予約は、順調に集まっているという。同社広報の村山麻衣子さんは「2人は程良い身長差で、お似合い。結婚祝いや式場の飾り付けにしてほしい」とPRした。【柴田寛人】

 ◆リカちゃん タカラトミー社(旧タカラ)が販売する着せ替え人形。1967年(昭42)7月に初登場。おしゃれなファッションで人気者になった。5月3日生まれで、両親はフランス人の父と日本人の母。本名は香山リカ。名字は女優香山美子(72)から。「リカ」は外国人にも通用するため。11歳の小学5年生、身長142センチという設定。趣味はお菓子作り、将来の夢はデザイナー。現在のリカちゃんは87年登場の4代目。累計出荷数は5300万体を超えるロングセラー。企業の広告キャラクターとしても活動。