旧築地市場(東京都中央区)跡地に建設予定の5万人収容の屋内全天候型マルチスタジアムを含めた約19ヘクタールの開発について2日、隣接する築地場外で聞いた。

事業予定者となる11社のうち、代表3社の三井不動産、トヨタ不動産、読売新聞社グループ本社の事業計画内容が発表された1日、東京・中央区役所で築地と銀座の関係者を集めた報告会が開かれた。

これまでにも東京都との会議は何度も開かれており、地元築地も多くの要望書を提出してきた。この会議にもっとも出席してきた鳥藤(とりとう)の鈴木章夫会長(76)は満足そうな声で「隅田川沿いにポートを建設して、船で交通網を作るという提案も盛り込まれている。海路の中心に築地がある。いい方向に進んでいると思いますよ」と話した。

さらに鈴木会長は「球場ができることはうれしい。同時に築地の再開発を考え直す時期であることも事実」と話し「1階部分の目に見える景観に関して、築地のたたずまいをどう残すか。文化の継承を意識した再開発が望まれますね」と語った。【寺沢卓】