移転が来年冬以降に先送りされている東京・豊洲市場で30日、報道機関向けの見学会が行われた。主要施設完成後では初披露となった。

 管理施設棟、青果棟、水産卸売場棟、水産仲卸売場棟の4棟が公開され、温度管理や業者の動線確保など、高い機能性が説明された。

 豊洲市場では地下水の安全性を確かめるモニタリング調査が続いているが、この日は青果棟にあるモニタリング井戸を公開。直径5センチの管が地中10~20メートルまで伸び、地下水の水質を調査できる。この井戸は市場内に計201カ所あり、別の場所で環境基準を上回る有害物質が検出された。

 近くにある揚水井戸も公開された。内部の地下水の水位が海水面から180センチを超えると、吸水ポンプが稼働。130センチ以下になると停止し、地下水は地下にある排水処理施設に送られ、浄化される。

 都の職員は「各街区で同様の施設が3つある。ベンゼンなどの有害物質が含まれていないかどうかを調べて、出た物質に応じて、それぞれ分解する。きれいな水になったものを最終的にチェックして、下水道に流すというのが大まかなシステム」と説明した。