東京都の小池百合子知事は12日、共同通信社「きさらぎ会」で講演し、2020年東京五輪・パラリンピックの仮設施設の費用に関し、「地方自治体がこれから必要な費用は、300~400億円」との見通しを示した。

 仮設の整備費用については、招致段階では組織委員会が負担することになっていたが、昨年12月、予定の2800億円のうち、組織委の負担は約800億円で、約2000億円を都や開催自治体、国が負担する案が示された。自治体側は反発を強めている。都と都以外の内訳が、明らかになったのは初めて。

 小池氏はさらに、「東京という名前がついていても、皆さんが協力していただける体制を取りたい」とした上で「主体は東京都や他県ではなく、国民1人1人であり、アスリートの皆さんだ。押し付け合うようなみっともないことはやめて、どう協力していけるか。私も、組織委員会の財政を豊かにする知恵を出したい」と述べた。

 一方、東京大会のエンブレムをあしらった伝統工芸グッズが、発表からわずか1日で「完売」したことを明かした。東京染小紋風呂敷クロス(税別1万1000円)について、「昨日発表したら、ネットで完売し、お待ちいただくことになる。(売れれば)組織委員会に、5%が収入で入る」と強調。「5%という額はわずかだが、お金の負担を誰がするのかといってパイを奪い合うのではなく、工夫することでパイを増やせばいい」と、訴えた。

 11日に、首相官邸を訪れた際、安倍晋三首相の胸元に付けたマグネット式のピンバッジについても、「官邸から、あと20個、30個(必要)という話になった。1つ(の価格を)100億円にすれば、地方自治体のお金はそれで回るかなと思うが」と冗談を交えつつ、「要は、組織委員会の収入を増やすことが大事」と強調した。