事故に遭い悲しむ被害者側がいれば、罪悪感に苦しむ加害者側もいる。NPO団体「ワールドオープンハート」理事長の阿部恭子氏は、08年から犯罪加害者の相談に乗る活動を始めた。

 阿部氏 これまで800件ほど相談を受けてきたが、交通事故に関するものは250件と割合は大きい。うち半数が死亡事故で、残りが物損などです。

 高齢ドライバーが起こした交通事故については、本人ではなく、運転者を親に持つ子どもからの相談が多いという。

 阿部氏 高齢者である親が物損事故を起こしたが、この先も運転させていいのか、どうしたら運転をやめさせられるかという相談が多いのが特徴です。

 物損事故を起こした親が、今度は死亡事故を起こすかもしれない。死亡事故となれば、本人だけでなく、家族も周囲から「加害者家族」という目を向けられるようになる。

 阿部氏 ただ、地方では車がないと日常で「生活の足」がなくなる。また、運転しなくなることで、認知症が進むという話もあり家族も悩まれています。