認可申請取り下げについては「昨日、府の役員が学校にいらしたが、建物の中を見て行かれなかった」とし、不認可になりそうだと感じたという。この日午前、小学校に進学予定だった保護者らとの話し合いで「公立に(進学先を)変えるならリミット」と考え、取り下げを決めたとした。

 理事長退任も表明し「悪いことはしていないが、学校を建設できなかった責めは負いたい」と説明し、後任に自身の娘の名をあげた。会見では「(小学校開設が)これからというときに爆弾がさく裂した」と語った。

 今後も幼稚園の運営はサポートするとし、小学校建設には「大阪なのか、別の県なのか分からないが、再チャレンジしたい」と、衰えぬ意欲を見せた。疑惑の金額が異なる3通の工事請負契約書については、あいまいな説明に終始した。

 用地取得についての国会議員らの口利きは否定。昭恵夫人が行った講演の際の謝礼の支払いはなく、講演自体は「精神的な財産」と語り、首相と面会したことはないとした。国会の参考人招致には「応じるつもりはない」と強調した。

 途中、騒動約1カ月を振り返り「(日付が)2・26(事件)を通り、国家に抹殺された青年将校を思いました」との言い回しで、無念ぶりを表現。“恨み節”は計約80分間にわたった。会見には「絶縁」と報じられた長男の佳茂氏も同席した。

 今後、用地は国が買い戻す見込み。財務省は森友学園に違約金として1340万円の支払いを求め、建設した校舎については解体し、更地に戻して引き渡すよう要求する。【村上久美子】