「お姉ちゃん、どこ? お姉ちゃん、どこですか?」。千葉県我孫子市の小3女児殺害事件で、亡くなったベトナム国籍のレェ・ティ・ニャット・リンさん(9=松戸市)のお別れ会が3月31日、松戸市斎場で行われた。参列者によると、リンさんの3歳の弟は姉を探し、ベトナム語で何度も呼んでいたという。

 市によると、同級生ら150人とベトナム人約100人を含む約500人が参列。祭壇の部屋に入りきれない大勢の人が、別れを悼んだ。市はお別れ会に先立ち、報道陣に祭壇を公開。祭壇に置かれた小さなお棺には、リンさんが好きだった緑色のダウンジャケットが掛けられ、祭壇にはベトナム語と日本語で弔いの言葉が書かれていた。ベトナム大使館、小学校などからの花輪が供えられた。

 お経はベトナム語で上げられた。参列した松戸市の本郷谷健次市長(68)によると、両親は憔悴(しょうすい)しきった様子だった。参列したベトナム人女子大生(23)は「ご両親は泣いて、放心した様子。弟さんはまだ分からないみたいで、時々席を離れて、お姉さんを探していた」と話した。戒名は「妙安」。ベトナム語で「ズィオ・アン」。僧侶から「この上なく安らかに」という父親の思いを込めたと説明があった。父親は最後に、日本語で「リンちゃんのためにありがとうございます」と話したという。

 同級生らがお棺に花を手向け、大勢の参列者に見送られて出棺した。青灰色の「アオチャン」と呼ばれる礼服を着たベトナム人や、黒い喪服の日本人が続いた。参列した目黒区の会社員チャン・ディン・カインさん(27)は「天国に行けるようにお祈りした。犯人は早く自首してほしい」と願っていた。【清水優】