自民党の小泉進次郎農林部会長は5日、次世代に向けた財源確保に向け、保育や幼児教育の無償化を実現するために提唱する「こども保険」について、党の教育財源確保の特命チームに出向き、導入に理解を求めるプレゼンテーションを行った。

 報道陣には非公開で行われた議論は1時間以上におよんだ。会合後、進次郎氏は、ともに案をまとめた若手の1人、村井秀樹衆院議員、同チーム主査の馳浩前文科相とともに報道陣の取材に応じ、「制度設計は現時点では詰めも甘いと思うが、もっともんでもらえば前に進む。間違いなく理解は深まった」と強調した。

 「こども保険」は、会社や社員が支払う厚生年金保険料の利率に0・1%ずつ上乗せし、将来的に0・5%にすることで、就学前の0歳~5歳の教育費無償化につなげるプラン。

 進次郎氏は「将来の社会保障費の担い手となる子どもがいなければ、世の中の社会補償全体のリスクになる。それをカバーしないといけないという発想からだ」と説明。「社会保障の持続可能性のリスクが、少子化でここまで高まっていることを、世の中全体がもう1度シェアして、リスクをどう伝えるかを訴える必要がある」とした上で、「子どもをみんなで支える社会をつくろうというメッセージを出すには、国が本気に考えている姿が伝わらなければ、少子化対策の議論も(国民に)伝わらない。財源の制約を理由に、予算の小出しをしてもこの問題は解決しない」と訴えた。

 名称は、「こども保険」にこだわらず、「次世代育成保険」「社会連帯保険」などの案も掲げた。

 馳氏は、この日の議論について「こども保険の趣旨に反対する人はいない。保険制度がなじむかというご意見はあった。制度設計については、負担の公平性に関する議論もあった」とした上で、「私の主観でいえば、社会全体の公平性という観点から、重要な案だと思う」と述べた。今後、こども保険に関して新たな特命チームを設置する動きもあるといい、党内議論が進むことになりそうだ。