森友学園の国有地売却をめぐり、近畿財務局で学園の案件に関わった男性職員が、7日に死亡していたことが9日、分かった。遺書が残されており、自殺とみられる。

 森友学園をめぐる問題で、あってはならない悲劇が起きた。亡くなったのは、近畿財務局で国有財産の売却などを担当する管財部の所属。学園側と交渉に当たった担当者の部下だった。関係者によると、職員は7日、神戸市内の自宅で首をつり、病院に運ばれたが死亡した。遺書のようなメモが残されており、兵庫県警は自殺と判断している。

 職員は昨年2月に国有地売却時の値引き問題が発覚した前後、取材に対応。関係者によると、昨年後半から体調を崩し、欠勤しがちだったという。麻生太郎財務相には8日に報告された。麻生氏はこの日夜の会見で、「大変残念であり、大変悲しい」と述べたが、遺書の内容や、職員が調査対象だったかなどに関して、コメントを避けた。

 国会内で行われた野党合同ヒアリングでも職員の死が取りあげられ、重苦しい雰囲気が漂った。出席した財務省幹部に「(国有地売却の)現場にいた方が、命を絶つようなことが起きている。これ以上、犠牲者が出ないようにしてほしい」との声が寄せられ、富山一成・理財局次長は「本当に重く受け止めています」と沈痛な面持ちで答えた。

 出席した議員からは、近畿財務局が、職員の家族に遺書の内容を口外しないよう求めたとされることや、遺書に、土地売却に関する内容が含まれていたとの一部情報の真偽を確かめる質問も出たが、富山氏は「コメントは控えたい」と、多くを語らなかった。