愛媛県今治市の松山刑務所大井造船作業場から、受刑者の平尾龍磨容疑者(27)が脱走した事件は、22日で発生から2週間が経過した。8日夜から潜伏しているとみられる広島県尾道市の向島(むかいしま)では、これまで延べ約1万人が捜索を行ったが、容疑者は見つからず。島内では13日を最後に盗難被害もなく、有力な情報は集まっていない。住民には不安やストレスがたまる一方、「本当にまだ島にいるのか」と疑う声も上がってきている。

 向島の西にある岩子島(いわしじま)にも潜伏の可能性があるため、捜索が続いている。両島を結ぶのは向島大橋のみ。こちらの検問は24時間態勢では行われておらず、警察らが約500人の島民に戸締まりの徹底などを呼び掛けている。農家の男性(58)は「この島で生まれて、大事件なんて初めて。わざわざ狭い島に来るのは考えにくいが、それでも気持ち悪い。心配です」と語った。