危険回避のために
太陽はとても強い光と熱を出している。太陽(日食)の観察には、それに伴う危険を理解し、安全に配慮しなくてはならない。 部分日食のとき、太陽の一部は月に隠されているが、光や熱が強いことに変わりはない。
今回の日食は、時間的にも太陽の日射量が多く、また夏休み等で観察する子供も多いと予想される。ちょっとした不注意などで、重大な事故や健康被害が起こることを理解し、楽しく太陽(日食)観察をしよう。
太陽(日食)観察に伴う危険
(1)太陽はとても明るい天体である
太陽の明るさは満月の約46万倍とも言われている。満月ですら、見つめるとまぶしく感じることもあるのだから、太陽の明るさは想像を絶するものとわかる。
そのため、太陽を肉眼で直接見ることは、たとえ1秒でも危険な行為といえる。網膜障害や視力を失うなど、目に重大なダメージを及ぼす危険性がある。
(2)「まぶしくない」=「安全」は間違い
サングラスや黒い下敷きなどで太陽の光が暗く見えたとしても、それは人間の目が感じる光(可視光線)を弱めているだけのこと。目に悪影響を及ぼす赤外線はさえぎられていないことがほとんどである。可視光線を弱めてまぶしくない状態で観察したとしても、目には赤外線が届いている可能性があるので、気がつかないうちに目に大きな障害をもたらす場合がある。
(3)長時間の観察は危険
日食グラスなどの太陽(日食)観察専用器具を使用したとしても、長時間にわたって太陽を見続けることは、とても危険である。
日食グラスは、可視光線、紫外線など目に悪影響を及ぼす光線を弱めているが、100%さえぎることはできない。続けての観察は、2~3分くらいを限度とするのがよい。
やってはいけない観察方法
- 太陽を直接、肉眼で見る
- 望遠鏡・双眼鏡を使って見る ※専門家によって適切な減光を施された望遠鏡や双眼鏡は、観察に使用することができる。
- カメラの光学式ファインダー越しに見る
- 下敷きやサングラス、CDなどを使って見る
- 日食グラスと望遠鏡などを組み合わせて見る