同じ床屋さん(理髪店)に何年も通っていませんか?

 たまにはほかの店に行ってみたいけど、いつもの床屋さんに申し訳ないからと、ちゅうちょしたことありませんか?

 そんな気遣いも大事にしたいところですが、一方の理容師や美容師はどう思っているのか。人気ヘアメークアップアーティストのKUBOKI氏に美容エディターの大塚真里さんが聞きました。

 大塚

 先月は、KUBOKIさんに男性の髪形のトレンドについて教えていただきました。

 KUBOKI(以下、K)

 刈り上げのおしゃれ七三分けですね。

 大塚

 それで気になって、知人の男性をチェックしてみたんですが…。家族も仕事仲間も、30代以降は何年も同じ髪形という人が多いんですよ。

 K

 なるほど。

 大塚

 話を聞いてみると「変えるのが面倒くさいから」って。何年も同じ床屋さんに通っている人も多いんです。面倒くさいって、何なんでしょう!?

 K

 それは、いろんな意味があると思いますよ。いつもの床屋さんで髪形を変えたいとオーダーするのも気恥ずかしくて面倒だし、床屋さんを変えるのも面倒。1度違う店で切ってしまったら、前の店に戻るのも気まずいでしょうしね。

 大塚

 おしゃれよりも、人間関係の煩わしさを避けたいということでしょうか。

 K

 そうとも言い切れないんですが、煩わしさを押してまでの積極性がないのかも。多くの男は保守的な生き物ですからね。僕は以前、美容師をしていましたが、そのときに実感したのが男女の差。女性は常連さんでもときどき違う店で切って来られたり、顧客の入れ替わりもあったりするのですが、男性は1度来店したらほぼ1カ月おきに、律義に戻って来られます。

 大塚

 美容室を浮気するのは、もちろん女性でも気まずいところがあります。切る方としてはどんな気持ちなんですか?

 腹が立ったりするの?

 K

 腹が立つなんて、とんでもない。反省の一言に尽きますね。お客さんの変化を求める気持ちに気づけなかったのはミスだし、こちらから提案できなかったのもミス。理容師や美容師って腕だけよくてもダメ。会話とか表情観察で、その方が今求めているものを察する敏感さと、提案力が必要なんです。

 大塚

 確かに、そうですね。

 K

 それでも戻ってきてくださったときは、さらに似合う髪形を提案しなくてはと気が引き締まります。

 大塚

 男も女も、床屋さんと美容室の浮気はOKということで。

 第5回<2>につづく。

 [2014年2月24日10時54分]【髪を切るときは休日おしゃれ服で】

 髪を切るだけだし…と適当な服で理髪店や美容室に出かけると、切る人に自分のセンスや雰囲気が伝わらない。仕事帰りにスーツで行く場合は、なるべく個性の出るものを選ぼう。