EXILEのフィジカルトレーナー、吉田輝幸氏が正しい体の使い方を伝授する「EXILEエクササイズ」。第39回は「股関節の改善プログラム」を3種類紹介します。腰痛や膝痛の原因の1つとして、股関節が正しく使えていないことが指摘されています。すごく重要な部位なのに見過ごされがちな体幹の機能をしっかりと高めましょう。
1レッグ・ドロップランジ
体幹を安定させながら股関節の機能を強化する複合トレ。
吉田氏
立位になって、片足の太ももを持ち上げます。両手は胸の前で交差します(写真7)。上げた足を軸足の後方へ引いて回し込みながら、軸足の膝を曲げて尻を沈めていきます。後ろ足は床につけません(写真8)。バランス力のトレーニングになるし、お尻の筋肉強化にもなります。体の中心軸が左右にぶれてしまうと、重心を下に落とせません(写真9)。後ろ足をしっかりと引き込まないと単なる片足スクワットの上下動になってしまいます。注意しましょう。
ロコモティブシンドロームという言葉を聞いたことがありますか?
加齢や生活習慣が原因になって、足腰の機能が衰える症状のこと。最近ではメタボとともに大きな社会問題になっています。
吉田氏
高齢者が何かにつまずいて転倒し、大腿(だいたい)部を骨折してしまう。動けないので、そのまま寝たきりの生活になってしまうという例がありますよね。なぜつまずくのか。それは、股関節から足を動かせていないのと、足を引き上げる筋力が弱っているのが大きな要因の1つです。股関節を正しく動かせていないことが、けがに直結しています。
現代病として大きな注目を集め始めている「ロコモ」。その予備軍は股関節の機能不全から始まっています。
第39回おわり。【取材・構成=松本久】
[2014年7月4日11時46分](8)上げた足を軸足の後方へ回し込み、ひざを曲げて重心を落とします(9)体の中心軸が左右にぶれてはいけません