リブラリーア・クルトゥーラ。店内入ってまず「空間がすごい」って思えますよね
リブラリーア・クルトゥーラ。店内入ってまず「空間がすごい」って思えますよね

時代はデジタル読書ですが

 皆さん、こんにちは! 僕はテクノロジーが大好きです。iPhoneも、今まですべてのバージョンを手にしました。現在、日本、アメリカ、ブラジルを行き来するのでiPhoneを3台持つほどです。自分でも「バカみたい」と思ったことがあります(笑い)。

書店入り口ですが、「ここはどこ?」って感じがします。でも同時にワクワク感も起こってきますね
書店入り口ですが、「ここはどこ?」って感じがします。でも同時にワクワク感も起こってきますね

 2007年のiPhoneの発売以来、世の中は変わりました。あれ以来、コンテンツがどんどんデジタル化して、AmazonのKindleや、iPhoneのiBookなどが世界中に普及していますね。

 実際、日本ではiモードとか言うサービスがありますよね。スタートは1999年だったかな? 当時、週刊で漫画を発行していた出版社が、月々払う携帯コンテンツ(多分、200~300円)が、漫画の市場を食っていると悩んでいたことを今でもはっきり覚えています。

本を読むときはリラックス、リラックス…ちょっとくつろぎすぎますか?
本を読むときはリラックス、リラックス…ちょっとくつろぎすぎますか?

 とは言っても、デジタルだと、流通的にはやく、なおかつコストが安く、エコでもある。紙より簡単にワールドワイドでコンテンツを広げられる利点、これも時代の流れだと思っていましたし、今でも思っています。

存在感と、温かみ

 そんな僕が先日、ブラジルのある書店に行って、紙に印刷した本の存在感と、温かみを感じました。サンパウロにある、Livraria Cultura(リブラリーア・クルトゥーラ)です。1947年に開店し、2007年に大きなリフォームをして、今の形になりました。4300平方メートルの店内は、効率のよさより、本に興味ある人が楽しめ、好奇心いっぱいになる空間になっているのです。一瞬、本屋さんというより、モダンな図書館? いや、それ以上? という感覚になります。

恐竜のお腹の中で本を読むなんて何てファンタスティックなんだ
恐竜のお腹の中で本を読むなんて何てファンタスティックなんだ

 3階建てです。その空間には一体感があります。とにかく、バリアーっぽいものは一切廃止して、楽しむ、興味を持つ、微笑む空間として愛されています。

子どもを呼び込むアイデア

 子どものセッションは特にすごい。木材でできた恐竜の骨組みがあり、お腹の部分にクッションが設置されています。子どもたちは“恐竜のお腹に入って”本を読むというアイデアです。

図書館のイメージですね。時間があったらゆっくり読書ができそうです
図書館のイメージですね。時間があったらゆっくり読書ができそうです

 あちらこちらにクッションが設置されており、大人でも気軽に座って、好きな本を読むことができます。音を遮断されている空間まであるのです。ここまでくると、もはや本屋さんというより図書館ですね。もちろん、本や雑誌には封はしてありませんよ。書店内にはおしゃれなカフェもあり、ミーティングや待ち合わせの場所としても利用されているようです。

カフェが併設されていて書店の利用客もさまざまです
カフェが併設されていて書店の利用客もさまざまです

 デジタル大好きな僕ですが、ここには感動しました。ブラジルは1500年4月22日にポルトガル人によって発見され、1822年に独立しました。日本と比べると歴史はかなり浅い国ですが、文化と知識を重視するこの書店は「あっぱれ!」です。

日本にも行きたくなる書店作りを

 ところで、僕が来日した際に行く大手の本屋さん数店なんですが、なんか古くさく、読書をそそらない、おもしろくない空間に感じますが…僕の勘違いでしょうかね? 遊び心いっぱいのリブラリーア・クルトゥーラのようなお店が日本に是非あって欲しいです。絶対に本をもっと読みたくなると思いますよ~。(ブラジル・サンパウロからアレックスでした。写真も)