3年ぶりに携帯を変えたら目ざといイタリア人の女友だちから指摘を受けた。

 「アタシも新しいの欲しいのよね。今はHTCなんだけど。コレア(韓国)の…」

 「違うよ。HTCは台湾だよ」

 「え? コレアでしょ? ま、いいや。今欲しいのはウワェイなんだけど・・・」

 「え?」

 「Huaweiよ。コレアの!?」(イタリア語はHを発音しないのでウワェイ)

 「違うよ。ファーウェイは中国製だよ」

 一事が万事こんな調子で話が進まない。

 イタリア人の電話好きは有名で90年代末にブームが起きるや欧州でもっとも早く固定電話の契約数よりも携帯電話の数の方が多くなった国だ。当初からSIMはフリーだったし、ナンバーポータリティーもあった。プリペイドも一度課金したお金は1年間失効しないので「通話は受ける専門」という人にも使いやすい。

 現在は日本のドコモに相当する元国営電話局のTIM、日本にも進出したことがあるVodafone、さらに3(トレ)、Wind、イタリア唯一の光回線を持つFastweb、郵便局が運営する携帯電話などが様々な料金プランを提供している。

 イタリアはスマホの普及率では世界11位。しかし、スマホを持ちながらネットに接続しているのはわずか33%。約3分の2のスマホ所有者は通話するためだけに持っているということになる。

 前出の友人がいう。

 「彼はITの仕事なのでライフォン」

 「え?」

 「ライフォンよ!」

 「ああ、L‘iPhoneね(iPhoneに定冠詞のLが付いていたのでアイフォンがライフォンになる…)」

 「でもケータイに500ユーロとかバカげているわ。アンドロイドなら100ユーロで買えるし…」

 日本でも報道されているけど、安さで欧州のスマホ市場をリードしてきた韓国製は完全に中国製に取って代わられようとしている。ところが中国製は冒頭での会話のようにブランド力がない。アンドロイド携帯はSIMロックをしているキャリアがほとんどない、ほぼ自由な欧州市場では、スペックと価格の比較だけなので、アプリのiPhone、価格で勝負のアンドロイドの二極分化が進みそうだ。(イタリア・ミラノから新津隆夫。写真も)