- その日に飲めるビールが壁に書かれています。常時飲める定番は4種類。季節や日によって異なりますが、常時15種類ほど楽しめます
今は小さな工房が人気です
ここ数年でアメリカ西海岸の新しい文化として根付いているクラフトビール。大量生産の大手メーカーのビールに飽きたビール愛好家たちの間で、マイクロ・ブリュワリーと呼ばれる小さなビール工房が人気となっています。しかし、クラフトビール好きな人の間では、クラフトビールと言えばサンディエゴと言う人も多く、LAはどちらかと言うと後発だったのですが、最近は上質で美味しいクラフトビールを作るブリュワリーが増えています。
一昨年オープンのスモッグシティー
そんな中でも一昨年にオープンして以来、口コミで人気となっている、ちょっと珍しいビールが楽しめるスモッグシティーに行ってみました。
- 入り口はこんな感じ。特に看板もないので初めて行く人はわかりにくいですが、外までビールの香りが漂っています
場所は日本人も多く住むロサンゼルス空港の南に位置するトーランス市。倉庫街の中に看板もなく佇むスモッグシティーは、言われないとここでビールを飲めるとは思えない雰囲気で、知る人ぞ知ると言う感じがすごく気に入りました。
醸造所にタップルーム
ビール醸造所の中にタップルームがあり、週末は昼からできたてのビールを求める人で長蛇の列ができるとのこと。ここの1番人気は、2012年にクラフトビールのコンペで金メダルを受賞した「グラウンドワーク・コーヒー・ポーター」。名前から想像できるようにアイスコーヒーのようなビールです。コーヒービール? って美味しいの? と思う人もいると思いますが、コーヒーをローストした甘酸っぱい香りと程よい苦味は、1度飲むと病みつきになります。
- 工場の中にタップルームがあります。ブリュワリー全体を見渡しながらビールが飲めるので愛好家には最高の場所です
豆にもこだわり、人気コーヒーショップ、グラウンドワークスから仕入れた豆を使っているとのこと。コーヒー入りのビールではなく、コーヒービールだと言うオーナーのこだわりも納得の1番人気のビールなので、ここを訪れたらぜひトライしてみてください。
季節限定など常時15種類
タップルームでは季節限定も含めて常時15種類ほどのビールがあり、人気のIPAやペール・エールなど色々な種類が楽しめますが、グラスのサイズを選んで注文すると目の前でビールを注いでくれます。いろいろ試したい人は、小さなグラスでのテイスティングも可能。また出来たてのビールをその場で瓶に入れてもらい、持ち帰ることもできます。
- 小さなグラスでも試飲できます。仲間や家族でシェアして全種類をテーストする人もいます
私が気に入ったのは、秋限定のカムクワット・セゾン。柑橘系の香りとさっぱりしたほのかに酸っぱいテイストが美味しいと思ったのですが、これはなんと近隣の住宅の庭などになって余った柑橘類カムクワットを集めてビールにしたものなのだとか。食材を無駄にしないシェアエコノミーの一環なんですね。
そして、もうひとつメキシカンチョコレート味のビール。こちらも本物のチョコレートを使っているのですが、甘さはまったくなく、上品なビターテイストが特徴で、チョコレートを使っていると言われないとわかりません。ダークビールが苦手と言う人でもこれはイケそうです。
- 週末は昼のオープンと同時に続々と人が集まってきます。子どもや犬を連れた人も多く、アットホームな雰囲気になります
ビールが取り持つ素敵な空間
ちなみにタップルームとは、バーやパブではなくて、そこで作られたビールを味わうことが目的のテイスティングルームのこと。なので食べ物はありませんが、ビーフジャーキーなどのスナックは売られています。見知らぬ人同士がビールを飲みながら楽しく会話し、いろいろなビールを試してみると言う雰囲気がとっても素敵な空間です。
スモッグシティーのビールは、最近は一部のオーガニックスーパーやリカーストアーなどでも買うことができるようになりましたが、タップルームでしか飲めない限定ビールもあるので、ビール好きな方はぜひ足を運んでみるとよいですよ。(米ロサンゼルスから千歳香奈子。写真も)
Smog City Brewing Co.
1901 Del Amo Blvd., Ste Bl. Torrance
smogcitybrewing.com