人気フードトラックには行列ができることも。ユニークなメニューや国際色豊かな料理が楽しめるのも醍醐味

リーマンショックから本格化

　ロサンゼルスでは数年前からトラックにキッチンを搭載して料理を販売する屋台型トラック「フードトラック」が大流行していますが、今ではLAっ子たちの胃袋を満たすＢ級グルメとしてすっかり市民権を得ています。本格的なフードトラックがLAの町に出没し始めたのは2008年頃。ちょうどリーマンショックで経済が低迷した時期で、店舗を持たずコストも最小限に抑えられる移動販売を考案した人たちによって始まりました。

こんなにカラフルなトラックもいっぱい。遠くからでも目立ちます

コーギー・バーベキュー爆発的ヒット

　レストランで食事をするよりもお手軽な値段で、しかも既存のファーストフードでは満足できない人たちを魅了してあっと言う間に浸透。特に、韓国の焼き肉とメキシコのタコスを融合させたオリジナル料理を販売する「コーギー・バーベキュー」が爆発的なヒットとなり、トラックの前には連日行列ができる社会現象となりました。ツイッターやフェースブックで出店場所を告知するスタイルも若者に支持され、多い時には１時間待ちなんてことも当たり前でした。韓国風に味付けした焼き肉やキムチをサルサやパクチーとともにタコスの皮トルティーヤで包んだ料理は、多国籍文化が根付くLAの人たちをあっと言う間に虜にしたのです。しかも値段もひとつ２ドルほどで、お手軽に食べられるフードトラック人気の原点となりました。

コーギー・バーベキューのタコスとホットドッグ。見た目はちょっとグロテスク？　かもしれませんが、これ意外に美味しいんですよ。キムチとメキシカンの組み合わせ、初めて食べる新鮮な世界です

オーガニックや高級食材

　そんなフードトラックですが、今ではタコスやハンバーガーなどジャンクフードのみならず、もはやフードトラックのレベルを超えたオーガニックや高級食材を使った超グルメなメニューを提供するトラックも続々登場。エコで美味しいが最近のトレンドとなっています。和牛など高級食材を使ったハンバーガーから窯焼きの本格的ピザ、オーガニックアイスクリーム、ロブスターがたっぷり入った豪華サンドイッチ、本格的ドイツソーセージを使ったホットドッグ、ワッフル専門店やインドカレーなど、多種多様なフードトラックが連日LAの町中を走っています。

一世を風靡したコーギー・バーベキュー。ランチタイムのオフィス街では大勢の人が並んでいます

エコカーで販売しています

　移動式フードトラックは大量の排気ガスを輩出しますが、エココンシャス意識が高いLAらしく、最近はエコに特化するフードトラックも増えており、ガソリンの代わりにバイオディーゼルを使ったり、トラックの屋根に太陽光パネルを取り付けて車内の電力をまかなうフードトラックなども出現し始めています。

あちらこちらでフードイベント

　ユニークで独創的な料理が気軽に楽しめるのがフードトラックの醍醐味。様々なイベント会場の外には必ずと言っていいほど多種多様なフードトラック店が軒を連ね、人気のフードトラックが一堂に会するフードイベントもあちらこちらで開催されています。レストランでの食事も良いですが、LAらしいＢ級グルメを楽しみたいならフードトラックがおススメです。（米ロサンゼルスから千歳香奈子。写真も）