熱海沖のイサキはゴールデンウイーク(GW)からが本番だ! 12日、静岡・熱海伊豆山港「喜久丸」を本部にして、神奈川・福浦「恵一丸」と合同のイサキ釣り大会が実施された。3隻に計36人が乗船して16人が釣果をあげた。3匹の合計重量での勝負だったが、3匹以上をそろえることができたのもわずかに6人。厳しい状況下での大会をリポートする。

 大苦戦だった。ビギナーでも簡単に釣れるはずのイサキが動いてくれない。

 14人を乗せた喜久丸の松本信也船長は「おかしいなぁ、魚群探知機の反応はまっ赤なのに。魚が落ち着かないみたいだ」と腕組みをした。

 潮温は14度台から上がらなかった。参加者10人の第十喜久丸の松本早人船長は「これが16度になれば食い出すんだよなぁ。まだ、潮温が低い。うーん、我慢だなぁ」とつぶやいた。最悪の状況だ。魚は確認できるが口を使ってくれない。

 その状況下で、6匹を釣り上げ、サイズをそろえて勝利したのは相良勝さん(44=山北町)だった。昨年4位で悔しい思いをしたが、念願の優勝を手に入れた。相良さんは「途中まで3本バリだったけど、タナ(魚の泳層)が海面から20メートル前後で、散らばっていなかったから、2本バリに変えて狙うタナを絞ったのが良かった」と振り返り「いやぁ~、本当に渋かった」と苦笑いを浮かべた。

 ワンチャンスを生かして準優勝に食い込んだのは山口武志さん(54=世田谷区)。午前9時過ぎに2本バリに2匹を掛けて、その後2匹を追加したが、結局4匹に終わった。「あの一瞬だけだった。深さは海面から20メートル。そこしか釣れなかった。船長の指示ダナを守ることが一番ですかね」と話した。

 3位の力石孝明さん(53=湯河原町)は最多の7匹で「ポツリ、ポツリと釣れた感じ。つらい展開だった」と口を真一文字に結んだ。4位には“アニキ”こと俳優哀川翔が過去2年連続9位から一気にジャンプアップして「3匹だけだったけど、運も味方したな」。2連覇中だった柏村信雄さんは2匹850グラムと肉薄したが、3匹目をゲットできずに7位に甘んじ「来年奪還しますよ」と燃えていた。

 12人が乗った恵一丸の山田隆一郎船長は「魚はいるから、あとは潮温次第だな」。肌寒くなくなってくるGWごろにはイサキの小気味のいい引きを誰でも堪能できそうだ。【寺沢卓】

 ▼順位 <1>相良1266グラム<2>山口1194グラム<3>力石1174グラム<4>哀川1094グラム<5>鈴木初一892グラム<6>山根正規851グラム<7>柏村850グラム<8>辻崇一714グラム<9>安部章生650グラム<10>松尾涼子538グラム<11>鶴窪由行496グラム<12>春山健一410グラム<13>徳田大輔332グラム<14>鶴窪みどり298グラム<15>平和男262グラム<16>前田登261グラム※イサキ3匹までの合計重量審査(敬称略)

 ▼船 熱海「喜久丸」【電話】090・5456・8449。イサキの乗り合いは、午前5時出船でエサと氷付きで1万1000円。午後0時30分出船の午後便も。福浦「恵一丸」【電話】0465・63・8171。