三重・紀伊長島の名倉湾でのキスを狙い、１６日、「石倉渡船」（日刊銀鱗倶楽部加盟店）の船外機付きボートで湾に出た。この時期としては例年にない低水温の影響からか食いは渋かったが、広範囲にボートを流しながらアタリを拾い、午前６時から午後１時すぎまでに１２～２３センチを４２匹釣り上げた。水温低下で遅れ気味だったキスの数釣りは、これから本格化する。

　名倉湾に本格的なキス釣りシーズンが到来した。午前６時すぎに出船し、水深は１５メートルから２０メートル、底に砂地が広がる「一本松」のポイントに入った。サオは２本用意。１本は置きザオで、１本は手持ちにしてアタリを探る。釣り方は流し釣り。速い下り潮が流れる中、石ゴカイを２センチほどに切ってハリに刺し、遠近に投げ分けてキスの魚影を探る。

　船が少し流され糸フケがとれると同時に、手持ちのサオにキス特有のブルブルッとサオ先を振るわせる鮮明なアタリが出て、幸先良く１５センチ級をキャッチした。さらにエサを付け替えている間に、置きザオにもサオごと持っていかれそうなアタリが出て２０センチ級がヒット。このサイズになると引きも一段と強く、小さな魚体に似合わない締め込みで魅了してくれる。しかし、低水温のせいかその後は食いが渋く、約２時間で１２～１８センチを１０匹追加したのみ。

　そこでポイントをかえ、以前、入れ掛りを経験した長島港魚市場前の水深５メートルの浅場に移動。この狙いが見事に的中した。２本のサオが交互にアタリをとらえ、一時は入れ食いモード。浅場で型は小さめだが、約１時間で１２～１８センチを２０匹ゲットした。

　何とか匹数をそろえたところで型狙いに専念。前半に２０センチ級が出た水深約２０メートルの深場（ミオ筋）を攻める。同１０時を回った辺りから南寄りの風が強まる。アンカーを投入しボートの流れる速度を制御しながら仕掛けを入れると、すぐにゴンゴンというアタリ。ラインを巻き上げると２３センチと２０センチの良型がダブルでハリ掛かり。その後も１５～２３センチを１０匹追加。午後１時に納竿としたが、時折雨が降り、水温も低く食いが渋い悪条件の中、１２～２３センチを計４２匹。名倉湾の魚影の濃さをあらためて実感した。【日刊ＦＰＣ・兵頭良弘】

　【今後の見通し】名倉湾のキス釣りはこれから本番を迎え９月ごろまで数釣りが楽しめる。また、アジを泳がせたヤエン釣りで１～２キロのアオリイカも好調。テンヤを使ってキロ級のマダコも高確率で狙える。

　【問い合わせ】石倉渡船【電話】０５９７・４７・０７１２。レンタルボート＝手こぎ４０００円、保険料１人２００円、船外機付きボートは１万１０００円（４人乗り９・９馬力）～２万４０００円（１４人乗り４０馬力）まで１０種類あり、いずれも保険料１人５００円が必要。

　【交通】大阪から西名阪、伊勢自動車道を経由。勢和多気ＪＣＴから紀勢自動車道に入り紀伊長島ＩＣを出て国道４２号線を大内山方面へ。約５分走り片上南の信号を右折。孫太郎トンネルを抜けてすぐの信号を右折。約５００メートル走った左側が渡船場。