アユの早期解禁(5月1日)のにぎわいも一段落。20日に一般解禁された和歌山・日高川龍神地区に23日、釣行した。数日前に増水して本流の状況が良くないため、平水の支流「丹生ノ川」へ。午前中は曇り空と釣り荒れのダブルパンチで13~17センチを15匹と低迷したが、午後から柳の下のドジョウならぬ竹の下のアユを見つけ、同サイズを31匹と釣果倍増で計46匹。同川は小アユがたくさん見えており、今季も期待できそうだ。

 竹の下にはアユが群れていた。午前8時、ヤマセミ温泉から約500メートル下流の「加財橋」に到着。日差しはなく、気温14度と肌寒い。橋の300メートル下流に2段になった瀬がある。川幅も狭く、釣り荒れ、朝一番ということも考え、瀬落ちの深みから探る。オトリを送りだし30秒。あっさり15センチを釣り上げたが、その後40分間全く反応なし。一級ポイントで2時間粘って6匹だったので、下流の2つに分かれているポイントに移動する。

 ここは、上に木が覆いかぶさって釣りづらい。岩盤へオトリを送り込むと、目が覚めるようなアタリ。取り込んだのは、追い星が2個もある17センチの野アユ。さらに良型が5匹連続ヒット。サオ抜けポイントだったようだ。その後800メートル釣り下がったが、結局、午前中は13~17センチを15匹どまり。

 昼食の後は「加財橋」の上流へ。午前の教訓を生かし、最初からサオ抜けポイントを探す作戦。150メートル上流に太い竹が2本、水面から1・5メートルの高さまで倒れ込んでいる瀬を発見。竹の上流側のヨレへオトリを送りこみ、サオを寝かせてゆっくり引くと、目印がひったくられ、黄色い縄張りアユが飛んできた。オトリを交換し、同ポイントへ入れるとまたヒット。「柳の下のドジョウ」ならぬ「竹の下のアユ」を見つけた瞬間だった。

 ここから入れ掛かりとなり、10連続ヒット。アタリが止まると今度は竹やぶの下を攻める。水深が浅くチャラ瀬のポイントもあるので、4本イカリから3本イカリに変更するとまたヒット。好循環でひらめきと集中力も上がる。引くスピードを極端に変え、時には止めて待つが、それがすべてハマる。流れが悪い時は枝に糸をひっかけてしまうような竹やぶの下もスムーズに釣りこなし、竹周辺だけで3時間で15センチ前後を26匹取り込んだ。その後は移動して5匹追加に終わったが、久々の入れ掛かりに満足し午後4時に納竿した。【日刊FPC・井上富博】

 【今後の見通し】龍神地区の支流小又川や丹生ノ川、本流の上流域の大熊地区は川幅が狭いので、増水を繰り返す梅雨空けまでの期間が野アユの追いも良く釣りやすい。川面に木が覆いかぶさっているポイントも多いので8メートル前後のサオがちょうどよい。本流は、これから追加放流も予定されており、中期から後期にかけて期待できる。

 【問い合わせ】松阪食堂【電話】0739・79・0259。入漁料は年券1万800円、日券3240円。同食堂の松阪正澄さんが現地の情報に詳しい。

 【交通】マイカー利用で河内長野市から国道371号に入り南下。橋本市を経由し、高野山から龍神温泉へ。西集落の上山路橋から県道735号へ入り、丹生ノ川に沿って上流へ。