ヘラブナの総重量を競う「第3回GFG(がまかつファングループ)へらぶな東西対抗戦」(後援・株式会社がまかつ)が10月26日、山梨・南都留郡の精進湖で行われ、地区予選を勝ち抜いた精鋭20選手が参加した。午前6時半から正午までボート釣りで戦い、13尺チョウチンのセット釣りで9・4キロを釣った橋島宏幸選手(岡山市)が個人戦を制し初優勝。2位に鈴木千秋選手(大津市)、3位には昨年覇者の鈴木則之選手(栃木・壬生町)が入った。団体戦は西軍が2年連続で勝利した。

 野釣りと管理釣り場、両方の経験がボート釣りで生きた。初出場で初優勝を成し遂げた橋島選手は「本当にうれしい。家族に報告したいです」と満面の笑みを見せた。

 精進湖の「コタツロープ」の奥から2番目に入った。水深は10メートル前後あり、13尺のサオでチョウチン釣り。バラケとグルテンのセット仕掛けで挑んだ。大会1週間前に約4・6トンが放流された新ベラを狙いながら、居付きで型のいい地ベラも視野に入れていた。

 だが、前日の地震か、この日朝の気温が1度という寒さの影響か食いが悪く、午前6時半のスタートからしばらくは、周囲でヘラがあがっても自分にはなかなかアタリがなかった。1匹目は開始30分ほどしてから。

 そこで、サワリが薄ければ早めに切り上げ、手数を多くして攻めた。ハリスに大きな段差をつけ、長ハリスはこまめに長さを調整。その後はポツポツながら、同11時ごろに40センチ級の良型を掛けるなど、各選手が苦闘する中、混戦を抜け出した。

 ボート釣りに関東方面へも遠征するが、出身の関西では管理釣り場で多くの場数を踏んだ。ハリスの段差をつけるのは管理釣り場で食い渋ったときの攻略法。

 一方、仕事で赴任中の岡山では野釣りが多い。足しげく通う百間川など、流れのある釣り場で研さんを積んできた。アタリがないとき手数を増やして攻めるのは野釣りで学んだ戦法のひとつ。ヘラブナ釣りに魅せられ25年。幅広い経験が大舞台で光った。

 G杯ヘラブナは数回出場しているが「決勝戦に出るのがやっとで、5位か6位が最高成績」という。GFG東西対抗戦は今回が初挑戦だったが、見事に頂点を射止めた。「来年は、また予選から挑戦します」。満足することなく、再びトップを目指す。【高垣誠】

 ◆橋島宏幸(はしじま・ひろゆき)1962年(昭37)12月25日、大阪府八尾市生まれ。岡山市在住。エンジニア。ヘラ釣り歴25年。「HFC」「岡南野ベラ会」所属。ホームは百間川。

 【橋島選手のエサ】▽バラケ「段差バラケ」1「パウダーベイトヘラ」1「グルバラ」1「バラケマッハ」1水1の割合で混ぜて手水で粘らせ「浅ダナ一本」「バラケバインダーフラッシュ」で調整。▽クワセ「わたグル」と水を1対1の割合で混ぜ、少し硬めで、ハリに小さめに付けた。

 【上位成績】◆個人戦 (1)橋島宏幸(西軍・岡山市)9・4キロ(2)鈴木千秋(西軍・大津市)8・0キロ(3)鈴木則之(東軍・栃木壬生町)7・9キロ(4)都祭義晃(東軍・千葉香取市)7・0キロ(5)田内佳彦(西軍・箕面市)6・6キロ(6)石川準(西軍・羽曳野市)6・4キロ=敬称略。◆団体戦 西軍=56・8キロ、東軍=49・3キロ