来た! 駿河湾と東京湾で、大型タチウオの出没情報が出てきた。夜釣りを楽しめる駿河湾では、12月に入って、1メートル以上の大型を中心に30匹以上の数釣りが連発、50匹台も記録された。東京湾では、13日に横浜沖の浅場で108センチも飛びだした。いよいよ、ドラゴン級の引きの強さを味わえる時期に突入したようだ。

 外見が竜のようでもあることから、大型タチウオは「ドラゴン」と呼ばれる。夜釣りで知られる駿河湾は、そのドラゴンを期待するファンが多い。大井川港「海政丸」では、今月からドラゴンの割合が多くなってきた。

 タチウオは体長だけではなく、幅がものをいう。体高は指ではかる。タチウオに手を合わせて、4本以上は脂乗りもよく大型として評価される。その大型が海政丸では9日から目立ってきている。

 望月茂樹船長は「最初から大型狙いなので、使うハリも大きめの3/0でいいと思います。ハリスは結びにくいかもしれませんが、12号でお願いします」と強気に話す。

 タコボウズ記者も実釣した。午前1時に集合して出船、漆黒の海は何かが潜んでいるようなワクワク感で期待が膨らんでいく。仕掛けを投入するエリアは吉田沖の海面から45メートル。エサのサンマは皮から刺して2度縫い刺しして垂らす。

 船長から指示されたタナ(魚の泳層)をちょっと通り過ぎて、ゆっくりとリールを巻く。あまり速くアクションをつけすぎると、タチウオが警戒して食いが渋ってしまう。ソフトにスローに誘ってみよう。

 望月船長 「ドラゴンは頭がいい。ハリをかじらないようにして、エサを食べ散らかしていく。アタリを感じたら、しっかりと合わせてください」

 7日に54匹、9日には38匹、10日には34匹が記録された。駿河湾のタチウオ、スイッチが入ったようだ。

 東京湾はタチウオの大移動が発生している模様だ。川崎「つり幸」では13日、横浜沖の水深45メートルでヒットした。108センチ。超大型だ。これまで、散らばっていたタチウオだったが、浅場で動きが活発になってきた。11月下旬では、横須賀市・下浦沖の120~140メートルでしか反応しなかったのだ。

 幸田一夫船長は「ようやく来たね。大型ばかりだ。細かい(小さい)タチウオではなく、太くて存在感のあるものばかり。バラしも多かった。ただ、いつまで横浜沖にいるか、それはわからない。今なら、いいよぉ~」と上機嫌だった。

 大型が多いことから、ハリは「3/0」タイプがいいだろう。ハリスはしっかりドラゴンのパワーに耐えられる6~8号がいい。

 幸田船長 ゴム管を使う人がいるけど、長くない方がいい。ハリとハリスの結び目を隠す程度の短いものなら有効ですね。

 東京湾の「タチウオ冬の陣」は始まったばかりだ。【寺沢卓】

 ▼宿 大井川港「海政丸」【電話】054・622・2116。集合時間は午前1時30分。出船前日の確認の電話は午後7時から30分間。料金はエサは1万1000円、ルアーは1万円。

 川崎「つり幸」【電話】044・266・3189。出船は午前6時50分でエサは9500円、ルアーなら9000円。

 ▼その他のタチウオ釣りをする宿 八景「太田屋」、新安浦「長谷川丸」、久里浜「大正丸」、田子の浦「海渡」、焼津小川港「幸進丸」。