【(1)準備編その1】

 チヌかかり釣りを始めたいと考えている釣りファンに、チヌ釣りの“最強のトーナメンター”として知られる兼松伸行氏(50)がそのワザと知識をイチから伝授する「兼松伸行のチヌかかり釣り教室」がスタート(全5回予定)。まず1回目は「準備編その1」。かかり釣りを始めるのに必須のサオやリールなどこれだけ用意すればOKというタックル(道具)とその選び方を教えてもらいます。

 今回からスタートするこの連載で、少しでも多くの方がチヌかかり釣りに興味を持ち、理解し、入門していただければ幸いです。

 まず第1回目は、チヌかかり釣りを始めるにあたり、どのような道具が必要かを説明します。

 【サオ】釣りをする時に一番にくる道具と言えば釣りザオ。チヌかかり釣りでは短ザオと呼ばれる2・1メートルまでのものを使用します。特徴としては基本、穂先の部分でアタリを取るため、その穂先の動きでチヌのアタリかエサ取りのアタリかを判別できるような表現力のある鋭敏な物を使います。10年ほど前は自作される方も多かったが、近年は市販されているものの方が格段に精度がよいので、専用ザオを使用しましょう。長さに関しては好みもありますが、1・2~2・1メートルのラインアップから選びましょう。釣座が水面に近いカセでは短めの1・5メートル以下、水面まで高さのあるイカダでは1・5メートル以上を使用するといいでしょう。

 【リール】大きく分けて上向きのベイト(両軸リール)と下向片軸リールの2タイプがあります。近年はやはり操作性、使用感で勝っている下向きリールをお薦めします。

 【ライン】フロロカーボンの糸をリールに直接巻き、通しで使用します。号数は0・8~3号までをフィールドの状況や狙う魚のサイズに合わせてセレクト。基本的には1・5号から2号で対応出来ます。

 【ハリ】チヌ専用が販売されています。号数も0・8~7号ぐらいまでがメーンになりますが、基本的には2~4号で対応が可能。ハリは大きさだけでなく線形の太さにも注意が必要で、大型狙いの時には太軸を使用します。ヒネリありとなしでは、なしがお薦めです。

 【オモリ】脱着が簡単なゴム張オモリがよいでしょう。B~1号ぐらいまでがあれば、ほとんどのフィールドで対応出来ます。

 【ほかの道具】ダンゴを作るバッカンや手を洗う水くみバケツ、エサや食料、飲み物を保管するクーラー、ロッドケースに釣った魚をすくうタモ、シラサエビなどを使う時にはブク(エアポンプ)をセットしたクーラーや魚を入れるスカリ、ハリ、オモリ、台ネジや小物類を入れるタックルボックスは必需品といえます。また、目の保護に有効なサングラスやサオ受け、ロッドスタンドなどもあれば大変快適に釣りが出来ます。

 ◆かかり釣り 海上にロープなどで固定されたイカダや、小船(カセ)に乗って釣ること。

 ◆兼松伸行(かねまつ・のぶゆき)1965年(昭40)5月26日生まれ。大阪府大東市在住。「全日本チヌトーナメント」6回、「全日本チヌ釣り王座決定戦」9回優勝。昨年も「チヌ名人位決定戦」第1回王者となるなど、最強のトーナメンターとして知られ、ファンも多い。かかり釣りの親睦会「K-ZERO」(北陸、関東~九州まで10支部)会長、京阪チヌ釣り研究会会長。兼松柔道場師範。本紙にイカダ、カセ、波止の落とし込み釣りなどの釣行記を執筆。著書も多数。