今年も春恒例となった「駿河湾マダイダービー2016」が12日、安良里から御前崎までの6地区で開幕した。その初日となった12日、なんと10・6キロの巨マダイがキャッチ! 今年から仲間入りした御前崎「博栄丸」で大沢洋輔船長も「船長になって一番大きいマダイ」と大興奮だった。

 釣り上げた平田康志さん(48=愛知・刈谷市)も目を丸くした。10・6キロ、全長93センチ。堂々たるマダイだ。マダイ歴20年になるが「こんな大きなのは初めて。信じられない」と声を上ずらせた。

 御前崎沖では魚族保護もあって、月ごとに釣り開始時間を決めている。3月は午前7時からだ。釣りザオを握って約2時間。急にサオ先が引きこまれた。この時間までに外道のイサキは何匹か釣れていた。だから、イサキではないことはすぐ分かった。緩めていたドラグから道糸が容赦なく出て、約20メートル走られた。

 平田さん なんかマダイとも違う。船中では「カンパチだね」との声ももれていて、私もてっきり大きなカンパチかなぁ、と。

 およそ15分格闘した。10メートルのハリス(4号)を手繰っても姿が見えなかったが巨大な魚が浮かんできた。マダイだった。大沢船長は「船長になって、こんな大きいのは初。いやぁ、びっくらこいた」と目を細めた。

 ハリは下唇にガッチリ掛かっていた。

 平田さん ちょっとでもハリの掛かる場所がズレていたらバラしたかも。

 70リットルの巨大クーラーボックスになんとか押し込んだ。地元のスーパーで魚をさばいてもらえるコーナーがあって、持ちこんだ。店員が包丁を持ったまま口を開け絶句したという。

 ただ、ダービーはマダイ3匹の合計重量勝負だ。

 平田さん 安心できません。現在はトップかもしれないけど、2匹目、3匹目も狙っていきます。4月上旬にまた御前崎に戻ってきます。

 駿河湾マダイダービー2016はスタートしたばかり。たとえ10キロ超でトップに立っていても、4キロ級を3匹そろえられたら逆転される。熱~いマダイバトル、本番はこれからだ。

 ▼船 御前崎「博栄丸」【電話】0548・63・3337。釣り開始の時間が月別で指定。3月は午前6時(集合同5時30分)、4月は同5時30分(同5時)、5~9月は同5時(同4時45分)。料金は、氷付きで1万1000円、女性は1000円引き。レンタルタックルは3000円、マダイ仕掛けは500円~。乗船1回につきスタンプ1個を獲得できて、6個たまると乗船が半額になる。

 ▼駿河湾マダイダービー2016 期間は3月12日から5月15日まで。今年で4シーズン目。安良里「ふじなみ丸」、戸田「たか丸」、久料「魚磯丸」、田子の浦「海渡」、大井川港「海政丸」の従来5地区と御前崎「博栄丸」が新加入して6地区で、期間中に釣り上げたマダイ3匹の合計重量で競う。参加費は1000円で、参加賞として特製ジャンパー。登録すれば、6地区どこでも釣りができる。期間中であれば挑戦は何度でも可能。入れ替えは1匹からできる。優勝者にはトロフィーや賞状のほか、副賞として日刊スポーツ特製ブルゾン(名前入り)や豪華賞品が当たり、10位までと飛び賞も設置。