中紀・日ノ岬沖で本番間近の抱卵イサギの入れ掛かりを楽しもうと13日、同・御坊市の「千代丸」(日刊銀鱗倶楽部加盟店)の乗合船で同沖へ出た。早朝からイサギは活発な食いをみせ、午前10時すぎまで脂が乗った良、大型が釣れ続き、記者は28~39センチを40匹キープ。サオ頭は南勝次さん(京都市)で同型を80匹。ほとんどの人がクーラー満タンの釣果で、予想以上の釣れっぷりだった。

 6月の本番に向け抱卵イサギの食いが上昇中だ。午前5時前、日ノ岬沖の水深約55メートルのポイントに入った。底は岩礁帯。細谷健太船長がイサギの大きな群れを探しだし、アンカーを打ち込む。記者は右舷前方に入り、テンビン4本針のサビキ仕掛けをセット。鉄仮面にアミエビを8分ほど詰めて「底から6~15メートルでやってみて」という船長の合図で仕掛けを投入する。

 指示ダナでサオを上下に振ってコマセを効かせ、道糸を巻きあげていると、早速ブルブルとサオが震える食いアタリ。1投目からプリプリに肥えた30センチのイサギがヒット。この日は潮が緩く、まきエが流されず船底にたまりイサギが集中。朝イチから入れ食い状態に突入した。

 右舷ヘ先の大八木勝蔵さん(京都市)は、下針を青色のアジ針に付け替え、オキアミも刺し30~35センチを次々ゲット。左舷へ先では吉田さん(京都市)が、仲間同士で大型の食いダナを確認しながら、脂がたっぷり乗った40センチ級ジャンボイサギを引き抜いて「今日は大型が多いね」と笑顔を見せる。その左隣の南さんも負けじと35センチ級を3連掛け。「刺しエの必要がないほどの食いっぷりだね」と、こちらも手返し良く打ち返していく。

 同8時半すぎ、記者も40センチ級を狙って周りに食いダナを聞きながら、水深約50メートルを探っていると、今までとは違う重みがサオに乗って体高がある39センチがヒット。目標には1センチ届かなかったが満足の1匹だ。

 そして連掛けこそ少なかったが、最後まで良、大型イサギが食い続き、船長の「あと20分ほどで終わろうか」と声がかかった時には、ほとんどの人が釣果に大満足の様子だった。そして同10時半ごろに納竿。

 さすがに腹ボテばかりとはいかないが、ほとんどが抱卵しており、サオ頭は南さんで28~39センチを80匹。記者は中型クーラー満タンの40匹だった。また、この日は午後便も出船。こちらもサオ頭の吉田英司さん(有田市)が同型を70匹釣っており、この食いっぷりなら、本番ではでっぷり肥えた抱卵イサギの束釣りも狙えそうだ。【中村和嗣】

 【今後の見通し】脂が乗った抱卵イサギはこれから6月に入って最盛期を迎える。30~35センチを中心に40センチ超の大型も交じって数、型ともに期待できる。7月中旬ごろまで釣れ続きそうだ。

 【問い合わせ】千代丸【電話】0738・23・1621。乗合船料金は1万1000円(仕掛け、エサ、氷付き)。無料仮眠所あり。出船は午前4時ごろ。また、同11時半ごろ出船の午後便(3人以上で)もある。

 イサギ釣りは、他になぎ丸【電話】0737・62・3890、かるも丸【電話】同・62・3527、浜吉丸【電話】0738・64・2390、共栄丸【電話】同・64・2318、福丸観光漁業【電話】同・23・1091、谷野丸【電話】同・22・4487、木下丸【電話】同・42・0313もある。

 【交通】湯浅御坊道路の御坊ICを出て右折。野口新橋を渡って左折。日高川沿いに河口へ向けて2キロほど走り天田橋北詰を右折。国道42号に入り、2つ目の信号を左折。道なりに500メートルほど進むと同乗合船の乗船場がある美浜新港。