内房のアジョカジョ、堪能したぜ! 俳優の前に「釣り人」であることを意識するアニキこと哀川翔(55)が、富浦~館山沖の水深20メートル前後のライトジギングに挑んだ。コチやハタ、そしてワラサとイナダの中間「イナワラ」が船中で連発した。アニキは最後に「奥の手」でかわいいオニカサゴをゲットしたぞ。

 房州の方言で「いろいろな」というのを「アジョカジョ」というらしい。最近、内房・富浦「共栄丸」(笹子宏宣船長)では、午後便のライトジギングでの五目釣りを「アジョカジョジギング」と呼んでいる。面白いねぇ。いいネーミングだ。いろいろな魚種が釣れる五目は楽しいから、オレは大好きなんだ。それをジギングでやるのか…燃えてくるじゃねーか。

 今回は、アジョカジョの試し釣りということで、特別に早朝便から出してくれた。安心してくれ、午後便でも釣れるよ、富浦沖はそういう海だ。

 参加したのは、モノマネタレントでルアーマンの布施辰徳、ロックバンド「175ライダー」ボーカルSHOGO、映画「スキャナー」にも出演した中学生釣り師佐野代吉、館山市でおいしい魚料理を出してくれる「若鈴」代表の佐野慎一さん、親戚のスギちゃん、最近海釣りにハマっているセンセイら総勢12人。うまい人からビギナーまでいるから、面白い調査になるだろうな。

 釣りの前日、バケツをひっくり返したような豪雨だった。海面が冷やされて、海に大きな冷たいふたがかぶされたようなもんだ。宙で泳ぎ回る魚は、活性が低いかもなぁ。

 船中で最初の獲物はマゴチ。釣り人の佐須智明さんが40グラムのメタルジグを底まで落として、少しずつズリズリ引いてきたら「ガツンときた」、と言っていた。

 館山市の沖に移動した。水深15~23メートルの浅場。笹子船長が「宙層に反応が見えるんだなぁ」と船内アナウンスを流した直後。ただ巻きで様子をみていたセンセイが「なんだ、これ? 重いよ」と両腕をプルプルさせながら、曲がったロッドを握っていた。巻き上げると約2キロのイナワラだ。イナダとワラサの間の大きさなので「イナワラ」。ほぼ同時刻、佐須さんと若鈴佐野さんにもイナワラが来た。ヒットしたのは宙ではなく、やはり底だった。

 今回は、料理人の若鈴佐野さんに乗ってもらっている。マゴチとイナワラを船上でさばいて、夏らしく「あらい」でいただいた。うめぇ、本当にうめぇ。血を抜いて、出刃で解体して柳刃で刺し身にする。あとは氷水でキュッ、と締める。とにかく手が早い。プロの仕事は見ているだけで気持ちいいもんだ。

 おいしく食べたら、釣り、続行だ。やはり、底を中心に攻める。40~60グラムのメタルジグをちょい投げして、底を引いてくる。スギちゃんが3キロ超のイナワラを、センセイはワニゴチとオオモンハタを、代吉のパパはアオハタをそれぞれ釣り上げた。あまり派手にアクションをさせないのがコツだ。これならビギナーでも楽しめそうだな。

 オレは、最後にちょっとだけ、釣れる可能性を広げてみた。ジグヘッドにワーム…そして若鈴佐野さんにさばいてもらったイナワラの刺し身をフックに掛けた。あーら、不思議、小さいオニカサゴが釣れた。カサゴもきた。わずか10分の出来事。エサはすごいな。

 ルアーを使う「アジョカジョジギング」はこれからだろう。潮温さえあがれば、宙層でも狙えて、面白い釣りになりそうだぜ。

 それと7月24日(日)にトップ(表層)限定のシイラ釣り大会「てっぱつドルフィン・フェスティバル」も開催される。今回、シイラは見当たらなかったが「てっぱつ」のころには、いいファイトができそうだ。

 ▼宿 富浦「共栄丸」【電話】090・7244・0460。アジョカジョジギングは、午後1時30分出船で同5時30分まで。料金は氷付きで7000円。要予約。

 ▼てっぱつドルフィン・フェスティバル 詳細は【電話】0470・23・8827「サウスエンド」まで。